歌って、踊って、恋をして。【アイドルマスターsideM】

１６.快感 ページ19

ASide


カメラマン「はい、カット！うん、OK！お疲れ様」




スタッフ「以上でBeitさん、撮影終了になります！お疲れ様でした！」




Beit「有難うございます！」




響き渡るカットの声に、一同安堵し、胸を撫で下ろす。




A「皆さん、お疲れ様でした」




撮影を終えたばかりのBeitに声を掛けると、安心の笑顔を向けられる。




みのり「Aちゃん、有難う」




ピエール「みんな、おつかれ！やふー！」




A「恭二さんも、素敵な笑顔でした」




恭二「あ…サンキュ」




嬉しそうに頬を掻く恭二さんに、思わず笑みが零れてしまう。




みのり「恭二、休憩が終わってから凄い良くなってたね」




恭二「そっすか？」




ピエール「きょうじ、ハッピースマイルだった！」




恭二「まあこれも、Aのお陰だ」




A「え」




唐突に私の名が呼ばれ、声が出てしまった。




みのり「こんなに変わるなんて…Aちゃん、何したの？」




A「いや、私はそんな…恭二さんが楽になれるよう、アドバイスしたまでです」




そうは言ったものの、私の手柄になるのは何か違う気がして、必死に話を終わらせる。




A「と、とにかく！これは恭二さんが頑張ったから出た結果で、私は関与してないので！あ、あっちの手伝いしてきます！」




逸らした目の先に大変そうなスタッフさんが見えた為、それを理由にその場を去った。




A(はぁー、顔熱い)




みのりSide




みのり「あはは、Aちゃん顔真っ赤だったね」




ピエール「A、だいじょうぶ？」




みのり「平気だよ。恥ずかしがってるだけだと思うから」




ふと恭二を見ると、彼女が走っていった方を心配そうに見つめている。




みのり「にしても、彼女の言葉は偉大だね。恭二をここまで良くするなんてさ」




恥ずかしそうに視線を逸らす恭二が、さっきの彼女と重なる。




恭二「でも俺、Aに言われて、もっと楽に考えて良いんだって分かって…何か吹っ切れた気がして…」




胸の内を話す恭二は、こないだと違って、ほんの少し嬉しそうだった。




恭二「それに、今回上手く笑えて、カメラマンに褒められて…なんて言うか、気持ち良かったって言うか…もっと出来るようになりたいって思った」




俺を見たその瞳は、快感と希望に満ち溢れている。




みのり「…恭二、変わったね」




恭二「そっすか？」




みのり「なんて言うか、格好良くなった」



恭二「……」




みのり「この調子で頑張ろうね」




恭二「…うっす」

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