歌って、踊って、恋をして。【アイドルマスターsideM】

１４.不安 ページ16

ASide


プロデューサー「では、Beitの皆さんはAさんと一緒に商店街へ行って頂きます」




ピエール「商店街！」




みのり「もしかして…俺達の？」




プロデューサー「その通りです！今回はBeitの皆さんの商店街へ行って、ＰＶ撮影となります」




ピエール「また、あの、商店街、行ける？」




プロデューサー「はい！楽しみにしてて下さい」




ピエール「やふー！僕、楽しみ！」




プロデューサー「ではAさん、後は宜しくお願いします」




A「はい！お任せ下さい！」




プロデューサーさんに任された仕事…今度こそは絶対迷惑をかけないように…！




A「皆さん、今日は宜しくお願いします」




みのり「うん、宜しくねAちゃん。今日『は』というより、今日『も』だけどね」




A「あ、そうですね！昨日はご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした」




みのり「ううん。それより、今日は俺らの商店街だから、そんなに気負う必要はないよ。商店街の人達も良い人ばかりだから、Aちゃんもすぐに緊張が解けると思う」




A「そうですか…何か少し肩の荷が下りた気がします」




みのり「ふふ、そうだよ。リラックス、リラックス」




私を安心させるようなみのりの笑顔に思わず私も笑顔になる。




ピエール「リラックス！リラックス！」




楽しそうにみのりさんの言葉を真似するピエールくんを見て、更に笑みがこぼれる。
少しの間笑っていると、みのりさんが思いついたように手を叩いた。




みのり「あ、そうだ。Aちゃん、商店街の撮影の時、恭二の面白い所、見れるかも知れないよ」




恭二「え…」




私が驚く前に、言われた当の本人が驚いていた。




A「面白い所って…？」




みのり「行けば分かるよ」




唇の前で人差し指を立てて、ウインクをするみのりさんに私は意味が分からず、首を傾げた。



＿＿＿＿でも、着いてすぐにその意味を理解した。




カメラマン「鷹城さん笑ってー」




恭二「…こ、こうすか…？」




物凄くぎこちない笑顔をカメラマンさんに向けている恭二さん。




ピエール「恭二、顔、ひくひくしてる！」




みのり「あはは、恭二は本当に笑顔が苦手だからねー」




A「…面白い所ってこういう事だったんですね…」




どんなにカメラマンさんが促しても、全く自然にならない笑顔を見て、さっきの不安なんて忘れて、恭二さんへの心配が募っていった。

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