歌って、踊って、恋をして。【アイドルマスターsideM】

１２.帰宅 ページ13

Aside


恭二さんにちゃんとした挨拶もしないまま、事務所を飛び出して来てしまった…。




A(またやってしまった…)




再び恭二さんへの謝罪の想いが生まれたと同時に、目の前にいる恐怖に怯えていた。



A「お、お兄ちゃん…」




帰宅してからずっと怒りオーラを放っているお兄ちゃんに恐る恐る話しかけた。




A「わ、私、ご飯の用意しちゃうね！」




一刻も早くこの状況から抜け出したくて、この場を離れようとする。
しかし…




薫「A…？きちんと話を聞かせて貰おうか？」




即座に肩を掴まれ、目が全く笑っていないお兄ちゃんに問い詰められてしまった。




A「だ、だから！本当に私が恭二さんに話があって、２人で公園で話したってだけだって！」




事実を簡潔に、かつ詳しい事がバレないよう話すと、流石のお兄ちゃんも納得した様で、不機嫌な顔をしながらも、反論はしなくなった。




A(納得してくれたみたい…)




そう安心したからか、思わず声が漏れてしまった。




A「良かった…」





そして、その声をお兄ちゃんは聞き逃さなかったらしい。




薫「だが、夜に男を呼び出すなんて危なすぎる。変な勘違いをされたらどうするんだ」




A「へ？」




お兄ちゃんがおかしな事を言ったせいで、変な声が出てしまった。




A「な、無い無い無い！変な勘違いなんて…。だって、まだ会った初日だよ？そんな事…」




何だか急に恥ずかしくなって来て気持ちを紛らわそうと、さっきまでの目的を思い出した。




A「あ、そうだ！私夕飯の準備しようとしてたんだ！急いで準備するから、ちょっと待ってて！」




今度は止められずに、お兄ちゃんの顔も見ずにキッチンへ行き、夕飯の準備を始めた。




薫「A…」




その後、さっきのお兄ちゃんの言動が頭に残り、夕御飯の支度にあまり集中出来なかったのは、言うまでもない。

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