106話 餃子を作るの ページ7
A「ハル兄、、、。」
どうも実感がわかない。
ひょっこり、私に会いに来てくれるんじゃないかとよく思う。
A「早く、帰って来てよ。」
私の傍に来てよ。
ねぇ、ハル兄、、、。
そんなある日のこと。
「お待ちください！！」
妙に廊下が騒がしかった。
「ここかァ！」
次の瞬間、病室の扉が勢い良く開いた。
ゆっくりと入口を見ると、靖友が立っていた。
荒北「、、、Aちゃん。」
靖友は悲痛な顔で私を呼んだ。
〜荒北side〜
遥先輩が亡くなったと聞いたのは、事故から一日後のことだった。
まさか、こんなことになるとは考えてもみなかった。
そのせいか、Aちゃんはしばらく学校を欠席。
葬式に参列すると、心身共にボロボロのAちゃんを俺たちは目にした。
葬式が終わってからも、Aちゃんは学校に来ない。
入院してると聞き、何度か面会に行ったがいつも会うことはできなかった。
痺れを切らした俺は単独で病室に乗り込んだ。
看護師の制止を無視して病室の扉を開けると、目の下にクマを作り、痩せこけたAちゃんの姿があった。
荒北「Aちゃん。」
A「ねぇ、靖友。ハル兄がね、帰ってこないの。」
その言葉に驚きを隠せなかった。
荒北「A、ちゃん、、、？」
A「ずっと待ってるんだけどなぁ。」
遥先輩は死んだ。
A「今日はね、一緒に餃子を作るの。」
わかってるはずだ。
A「どこまで走りに行ってるのかな？」
耐えられなくなった俺は、Aちゃんを抱きしめた。
荒北「Aちゃん。遥先輩は来ないヨ。」
A「何で？そんなわけない。私の為にコーラを買ってきてくれるの。」
荒北「死んだんだ！！！！！」
A「え？」
荒北「遥先輩はっ、、、死んだっ。」
A「そんなはずっ、、、ないよっ、、、。」
Aちゃんの声は震え、俺の肩に涙が落ちた。
A「だってっ、、、守ってくれるって、、、！」
荒北「Aちゃん。“ハル兄”はもう、、、どこにもいないヨ。」
Aちゃんの涙が止まることはなかった。
Aちゃんが落ち着いたのは、それから２時間後のことだった。
そして、泣き止んだAちゃんの瞳に光はなかった。
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ナッツ(プロフ) - 石谷五月さん» コメントありがとうございます！！そしてそう言っていただけてよかったです！嬉しいです！！(´ｰ｀) (2017年4月3日 21時) (
レス) id: 1a0f8a5632 (このIDを非表示/違反報告)
石谷五月(プロフ) - 遥兄の手紙すごい感動しました。 (2017年3月31日 9時) (レス) id: af8de3d685 (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - ハムさん» ありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです(*´▽｀*)まだ完結していませんが、どうか楽しんで行ってください！(^ー^) (2015年7月16日 22時) (レス) id: 5f430f1bad (このIDを非表示/違反報告)
ハム(プロフ) - コメント失礼します！！初めてこの作品読ませていただきました。ハル兄の靖友への所感動のあまりボロ泣きしてしまいました･･･！！まだラストまで読んでないのですが頑張ってください！ (2015年7月16日 22時) (レス) id: 8171b748eb (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - 咲さん» コメントありがとうございます！！そう言っていただけてすごく嬉しいです！私もそのへんは書いてて泣きそうでした(>_<)そんなこと言っていただけるなんて、、、！ありがとうございます！！ (2015年1月17日 13時) (レス) id: a5a9d60e83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナッツ | 作成日時：2014年12月21日 21時
