弱虫ペダル〜全力疾走〜3rd stage

118話 思わず ページ19

A「、、、あのさ。」

荒北「あ？ンダヨ。」

A「ここって女子棟だよね？」

荒北「ココはその辺自由ナンだヨ。」

私は靖友と隼人に寮を案内してもらうことにした。

、、、ってか。

「見て、あれ。」

「きゃー！新開くん！」

「日野Aよ。」

「今更くるとか、なんなの？」

なんか聞こえます。

視線が痛いです。

女子って怖い。

新開「えーっと、、、ごめんな。」

A「何で謝んのさ！」

そう言って隼人の背中を叩いた。

「知ってる？日野Aって、、、。」

「知ってる！みなしごなんでしょ？」

思わず肩を震わせた。

「疫病神。」

「一人だけ生き残ってるらしいわよ。」

みなしご、か、、、。

疫病神ってのもあながち間違いじゃないかもしれない。

ふと顔を上げると、二人がいなかった。

A「え！？あ、ちょっと！！」

少し見回すと、さっき「みなしご」とか「疫病神」とか言ってた女子達に向かって行っていた。

新開「やあ、君たち。楽しそうだね？」

「新開くん！」

荒北「なーんの話してたのォ？」

「あ、荒北いたの？」

荒北「オイ。」

新開「みなしごがどうとか聞こえたけど？」

「あの子、ここ最近休んでたのお兄さんが死んだかららしいじゃない？そのついでに両親もいないって聞いたから、、、。」

二人を引き戻そうと動いていた私の足は固まった。

思わず泣きそうになって、その場から逃げ出した。

新開「A！！靖友、ここは頼んだ！」

荒北「あ、おい！」

「みなしご」も「疫病神」も、初めて言われたわけじゃない。

近所のおばさんから言われることがあった。

その時はハル兄がいたから、何でもないようにしていられた。

やっぱり、私は弱い。

ハル兄、、、。

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