114話 遥からの手紙 ページ15
靖友にお礼を言って目の前に現れた文字たちを目で読み始める。
『Aへ
まず、謝らせてもらう。
先に死ぬことになってごめんな。
父さんも母さんも早くに亡くなって、２人きりになってから、支えあって頑張ってきたよな。
いつもいつも、頼りない兄貴でごめんな。
俺は、お前があの事故から立ち直って、強く育ってくれたことが嬉しい。
そして、ロードを好きになって、「女王」なんて呼ばれるほど強くなってくれたことも嬉しい。
俺には人を見る目が無かった。
だから沙織にしてやられたし、荒北のこともだいぶ誤解してた。
なあ、A。
お前、今何してる？
普通に元気に暮らしてんならいい。
でも、もし、、、もし前と同じで塞ぎこんでんなら、、、怒るぞ？
周りを見ろ！
お前にはさ、信じられる心強い仲間がたくさんいんだろ？
俺と違って、お前の周りはいい奴ばっかだ。
ちょっと嫉妬すらするぜ？
これからは一人だ。
いいか？
もう店を家ごと売っちまえ。
そんで、寮に入れ。
金は、今までの貯金、父さん母さんの遺産、全部お前のもんだ。
だから、その金で大学まできっちり行け。
それが、俺はもちろん、父さん母さんの願いでもある。
店に縛られるな。
自由に生きろ。
俺達は、お前の幸せを願ってんだ。
いいか？
気持ちに嘘をつくな。
それが、人生を楽しく生きるコツだ！
寂しい思いをさせてごめん。
苦しめてごめん。
辛い思いをさせてごめん。
でも、お前はもう俺がいなくても生きていける。
道は人の前にあるんじゃない。人が歩いたあとに道ができるんだ。
だから、お前はお前の、お前だけの道を作っていけ。
最後に、、、誰よりも1mmを1cmを一秒を早く前へ行けるようなレーサーになってくれ！
愛をこめて、日野Aの兄貴、ハル兄こと
日野遥より』
溢れる涙が止まらなかった。
A「わったし、、、立ち直るからっ、、、！これからっ、、、できるだけ早くっ、、、！」
荒北「ん、待ってるヨォ。」
靖友はずっと、私の頭を撫でてくれていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 147人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナッツ(プロフ) - 石谷五月さん» コメントありがとうございます！！そしてそう言っていただけてよかったです！嬉しいです！！(´ｰ｀) (2017年4月3日 21時) (
レス) id: 1a0f8a5632 (このIDを非表示/違反報告)
石谷五月(プロフ) - 遥兄の手紙すごい感動しました。 (2017年3月31日 9時) (レス) id: af8de3d685 (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - ハムさん» ありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです(*´▽｀*)まだ完結していませんが、どうか楽しんで行ってください！(^ー^) (2015年7月16日 22時) (レス) id: 5f430f1bad (このIDを非表示/違反報告)
ハム(プロフ) - コメント失礼します！！初めてこの作品読ませていただきました。ハル兄の靖友への所感動のあまりボロ泣きしてしまいました･･･！！まだラストまで読んでないのですが頑張ってください！ (2015年7月16日 22時) (レス) id: 8171b748eb (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - 咲さん» コメントありがとうございます！！そう言っていただけてすごく嬉しいです！私もそのへんは書いてて泣きそうでした(>_<)そんなこと言っていただけるなんて、、、！ありがとうございます！！ (2015年1月17日 13時) (レス) id: a5a9d60e83 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナッツ | 作成日時：2014年12月21日 21時
