弱虫ペダル〜全力疾走〜1st stage

1話 入学 ページ2

A「いってきます！」

遥「おー、いってらっしゃい！」

ロードで走り出して約5km。

そこに、私が今日から入学する箱根学園がある。

ここは自転車競技部の強豪校だ。

だから来た。

忘れもしない、あの王者の走り。

幼い頃、ロードに憧れてはじめてみた。

小学生だった時にハル兄がチームの人たちと一緒に走ってるのを見て、鳥肌がたったのを今でも覚えてる。

それからは毎年のように箱学の走りを見に行った。

ハル兄が卒業してからもずっと。

そしてついに、入学したんだ！

A「よーし！頑張るぞー！」

ペダルを回しながら1人、空に向かって叫んだ。

30分もかからずに到着。

ひとまず普通の自転車置き場にロードを置かせてもらってしっかり盗難防止対策を施してから歩き出す。

退屈な入学式を終えて教室に来ると、いろんな人が居た。

「ね、名前なんていうの？」

前の席の子が話しかけてきた。

茶髪のロングヘアをゆるく巻いているかわいい子だ。

A「私は日野A！」

「私は花坂 美桜(はなさか みお)！よろしく！」

A「うん！」

美桜ちゃんは見た目は少しチャラいけど、本当にいい子だった。

話してるだけでにじみ出てるのがわかる優しさ。

口は悪いけど。

一緒にいるだけですっごく楽しい！

口は悪いけど。

美桜「Aー？話聞いてんのー？」

A「聞いてるよ。」

美桜「てかさ、見てアレ。」

A「人を指さしちゃいけません！」

美桜「オカンかって！ほら、あそこのなんか懐かしい不良。」

見ると、確かになんだか懐かしい不良がいた。

A「あー、あれが？」

美桜「みんな怖がって近寄らないんだってー。」

A「ヤンキーって感じしかしないしね。目つきといいなんといい。」

美桜「たしかね、、、荒北。荒北靖友むていうらしい。」

A「ふーん、、、？」

荒北靖友、ね。

まあ、関わることはないだろう。

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