酔いから醒めさせて【黒尾鉄朗】

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『 …だって結局木兎先輩結婚しちゃうんだよ？そしたら今までの私は.. 』




「 無駄じゃない、１番近くで見てた俺がわかってる、そうじゃないって 」




溢れていた涙が止まって、京治の真剣な眼差しに吸い込まれる .




「 Aさ、高校の時からいろいろ頑張ってたじゃん、




バレーの試合毎回見に来て、勝った時は俺たちよりも喜んで、負けた時は誰よりも悔しそうにしてて、




木兎さんの誕生日の時には１番パーティーの準備してて、




バレンタインの時には、義理でもいいからって毎回手作りで作ってて、 」




『 京治、もういいよ、なんか悲しくなっちゃう 』




「 前に木兎さんと２人で飲み行ったときに、言ってたよ。




Aがいつも俺に向けてくれる笑顔で俺がんばろって元気もらえるって、




高校の時から俺が頑張るとAが喜ぶからなってね 」




『 なにそれっ、そんな風に思ってたなんて知らなかった… っ 』




「 俺が結局言いたかったのは、Aは木兎さんにとって心の支えになってたってこと。




結局恋人にはなれなかったとしても、大切な存在として見てもらえてたんだよ。




これでも今までの行動は無駄だって思う？」




優しく投げかける京治の問いに首を振る .




『 ..思わない 』




「 ふっ 珍しく素直だね 」




『 でも、木兎先輩に心から結婚を祝福出来ないかもしれない… 』




握ってた拳を強めながら言った .




「 ふはっ 」




急に吹き出す京治がまさかの反応体が固まる .




「 祝福出来ないのは当然だよ、好きな人なんだから。今は祝福なんてしなくていいんだよ、今までの自分よく頑張ったなって褒めてあげればいいの 」




そう言って微笑みながら頭を撫でてくれた .




『 そっか.. 』




この京治の言葉が自分の胸にストン. と落ちた。
まだ木兎先輩の結婚の悲しみは残ってるけど、
頭も心もスッキリした気がした。





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