【魔界王子】我らの"宝" (ページ3)

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2話選帝公ページ3

ーーパブリックスクールにて。

試験結果が貼られている廊下に、ウイリアムは立っていた。

ｱｲｻﾞｯｸ「おめでとう！ウイリアム！」
『おめでとー。』
ｳｲﾘｱﾑ「別に。当然の結果だ。この程度の試験でビビっていてはトワイニング家の名が腐る。」
ｱｲｻﾞｯｸ「相変わらず余裕だね君は。」

貴方、ウイリアム、アイザックはよく一緒にいる。仲がいいと言えばいいのかもしれない。

ｱｲｻﾞｯｸ「あ！そういえば今日も礼拝中に寝てただろ！」
ｳｲﾘｱﾑ「くだらん。そんないもしない神に祈ってなんの得がある。時間は有効に使うべきだ。」
『僕もウイリアムに賛成だな。』
ｱｲｻﾞｯｸ「何言ってるのさ2人とも！神様はいるに決まってるだろ！それに天使や悪魔やトロール…」
『始まった…アイザックのオカルト話…』
ｳｲﾘｱﾑ「放っておけ。どうせいもしないのに…」

貴方もウイリアムも呆れていると

「今回もトワイニングが1位かー」
「すっげぇよなぁアイツ。さすが名門貴族様ってか。」

と、話している生徒の声が聞こえた。

『…ウイリアムのこと何も知らないくせにな。』
ｳｲﾘｱﾑ「いい貴方。俺はあんな言葉に動揺なんかしない。」
ｱｲｻﾞｯｸ「ウイリアム…例の件は大丈夫なの？」
ｳｲﾘｱﾑ「言うな。

幸い明日からは長期休暇だ。実家に帰ってからじっくり理由を突き止めるさ。」

ウイリアムはその場を立ち去った。

ｱｲｻﾞｯｸ「あっ！待ってよウイリアム！また休暇明けにね！」

アイザックの声は聞こえただろう。

ｱｲｻﾞｯｸ「貴方ももう帰るの？」
『まだ準備してなくてな。ゆっくり帰るさ。』
ｱｲｻﾞｯｸ「そっか！じゃ、僕もゆっくり…」
『アイザックはゆっくりしすぎだから早く準備しろな？』黒笑
ｱｲｻﾞｯｸ「ひぇ…わ、わかったからー！」

その後、アイザックも自宅に戻った。

ー貴方は悪魔だ。帰ると言ったら魔界しかない。

なので、毎回この時期になると悪魔の姿で人間界を回っている。

『ウイリアムは大丈夫だろうか…心配だ。』

心配症な貴方はウイリアム邸に向かった。

ー貴方がウイリアムと出会ったのはパブリックスクールに入学した時だ。
何の縁があるのやら、今までずっと同じクラスだ。
だからウイリアムの家に遊びに行ったり、よくしていた。

貴方にとって、久々のウイリアム邸だ。

だが、楽しみな気持ちも直ぐに緊張感に変わる。