【魔界王子】我らの"宝" (ページ2)

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1話目覚めページ2

-ここは…-

-あぁ…僕は眠りについたんだった…-

-ルシファー…は…待っていてくれたかな…-

-早く…起きなければ…-

ーー目を覚ました。

見慣れない空間にいた。

とある王室の一室であろうか…

まぁいい…早くルシファーの所に行かなくては…

あいつ、気短いからな…ｸｽ

貴方はそう思いながら、重たい体をゆっくり起こした。そして、部屋を出た。

『それにしても…ここはどこだ…？
見慣れない廊下だし…僕の屋敷ではない…』

貴方はルシファーの"気"に向かってあるっていた。だが、その"気"も、何故だか不自然なものだった。

とある一室の前にいた。ここにルシファーがいる。

扉は普通に押しても開かない。どういう訳だろうか。

『…体も鈍っていたしな。準備運動か。』

と呟くと貴方は、扉に手を伸ばし魔力を込める。
すると、意図も簡単に扉が破壊された。

中に進むと…見慣れない扉があった。

彼の気はここからする。

『…もしや…眠っているのか。ルシファー猊下。』

その扉に触れ、優しく声をかける。
案の定、何も返事がない。

代わりに

「ルシファー猊下は眠りについた。」

と、背後から声がした。
聞き覚えのある、懐かしい声…

『…そうか…何年眠っているんだ？』
「何年どころか、何百年ってところか…私も数えてなくてな。正確にはわからぬ。」
『…僕の後に…か？』
「…あぁ。」
『そうか…久しいな。アシュタロス。』

話を聞けたことに満足したのか、貴方は声のする方に振り向いた。

「あぁ。覚めたのなら声をかけてくれればいいものの。勝手に部屋から出ていくな。」
『悪い悪い…つい探検してみたくてな。』
「すぐいなくなるのも変わらないな…貴方は。
だから目が離せない…」

といい、貴方に近づく。すると貴方の頬に手を当て

「待っていたぞ…貴方。」

と、微笑んだ。

『…あぁ。おはよう。アシュタロス。』

同じく貴方も微笑んだ。

『…他の奴らは？』
「ここにはいない。」
『そうか…なぁ。アシュタロス。僕、人間界に行ってくる。』
「な…！？目覚めたばかりだぞ！？何を言うのかと思ったら…！」
『どーなっているのか…気になる。』
「そうか…どーしても行くんだろ？」
『まぁな。』

扉の方に足を進めた貴方。
その背中を見つめるアシュタロス。

「これから先、どうなることやら。」

と、呟いていた。