可愛い小物 (ページ2)

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いちページ2

｢いらっしゃいませ｣

　ちりんちりん、と客が来たことを知らせる鈴が鳴り、店員は顔を上げた。そこに居たのは、小さな男の子だった。此方をじっと見つめ、何か言おうとしているようだ。もじもじと焦れったく体を動かしている。
　店員は小さな客へ近付くと、欲しい物はあるかな?と聞いた。

　"綺麗で、丸の中に雪が降っているやつ"

　小さな客はそう答えた。どうやらスノードームの事らしい。店員は客から離れ、棚から幾つかのドームを持って客の前へ並べた。

　｢どのお家がいい?｣

　店員に聞かれ、小さな客は並べられたスノードームを一つ一つじっくりと眺めた。どれも綺麗で、どの家も立派だった。うーんうーんと唸りながら、どれがいいかと悩む。

　そんな客を見て、店員はこんな事を言った。
　｢実際にお家の中を見てみる?｣と。

　客は、そんな事が出来るのかと驚いた様子で店員を見上げた。店員は少し待っててねとドームを持って店の奥へ行き、暫くして此方へ来てと客を呼んだ。