【ハイキュー】仮面をつけた天才３

128　黒尾side ページ28

作戦は順調に進んでいた。


Aと赤葦の居場所を突き止め、合流したメンバーでそこに向かう。


途中で九条組の奴らに見つかり戦闘になるが、隙をついた青城が俺達を先に行かせてくれた。


そして2人がいるはずの部屋の前の男を撃ち中に入ると、鳳月組の幹部3人と赤葦、そして頬を腫らしたAがいた。


「連れて行け」


鳳月組のボス、鳳月恭弥がそう言うと横にいた鳳月詩乃、鳳月亜香里が2人を連れ出す。


「くそっ」


1番に飛び出した夜久が追いかけようと走るも鳳月恭弥が夜久の足元に発砲した。


間一髪で交わしたものの、その間に4人は奥のドアから出てしまった。


「そう簡単に行かせはしない」


殺気が…すげぇ。


これが鳳月組のボス、ね。


「お前ら先行けよ」


「黒尾っ！でも」


驚いたようにみんながこちらを見るが、対照的に俺はニヤリと口角を上げた。


「いいから。その代わり絶対2人を取り戻してこいよ」


それが最善策だ。


それに、生憎俺はコイツに負ける気がしないんでね。


「…わかった」


「研磨さん⁉」


研磨ならそう言うと思った。


「でも死んだら許さないから」


その言葉に少し驚く。


人にあまり干渉をしない研磨がそう言った。


俺は…研磨にとって大事な人になれてたんだな。


「おう！」


走り出したメンバーを横目で確認して、目の前の敵に向かい合った。


「くだらない。たかが1人のメンバーに命までかけるか」


「それが俺達のモットーなんでね」


ナイフを持つ手に力を込めた。

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