【ハイキュー】仮面をつけた天才 (ページ7)

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「お断りします」

「わお」

言い切った私にボスの方が驚いたように声を上げた。

「えー、いいじゃん」

失礼します、と今度こそ帰ろうとすると

「オーナー」

またもやボスの声。

しかも今度は私ではなくオーナー。

慌ててやってきたオーナーに彼は言った。

「この子、もらってもいい？」

…何を言い出すんだ、この人は。

ほら、一緒にいる音駒の方、呆れてるよ。

「クロ…キモい」

「ケンメァ！」

そのやりとりに後ろで大爆笑しているお仲間。

「すみませんが、先日前オーナーが何者かに殺されて…。今は経営の危機ですので彼女を手放すわけには…」

殺された…ねぇ？

オーナーの返答に少し考えるそぶりを見せたボスは口を開いてこう言った。

「10億」

「…は？」

何？

オーナーも口開いてるよ。

「10億払う。それでどうだ？」

オーナーがチラッと私の方を見た。

「構いませんよ。別に」

そう言うとオーナーは安心したように笑って承諾した。

ホール要員である私と10億円では価値が違う。

勧められる話し合いを見ていると夜久様に声をかけられた。

「…いいのか？さっきまで嫌がってただろ？」

「ええ。私が断ったのはオーナーが先程申し上げた理由と同じですので…。彼女の許可が出ればなんの問題もありません」

なるほどな、と引き下がった彼を尻目にオーナーに挨拶をしようと一歩踏み出した。

…得意の笑顔を貼り付けて。