6 ページ6
襟首を引っ張られ、気がつくと誰かの腕の中にいた。
斜め上を見ると夜久様の顔がすぐ近くにあった。
「夜久、その子の手当て頼むわ」
「おう」
私の襟首を引っ張ったのはおそらく音駒のボスだろう。
怪我をしていない方の腕を引っ張られ、少し離れたテーブルにまで連れてこられた。
有無を言わせず腕をめくられ、手当てをされた。
「大丈夫か?」
包帯を巻きながらそう尋ねられ、大丈夫です、と小さく答えた。
「ありがとうございました」
手当てが終わり頭を下げると、こっちこそごめんな、と謝られた。
「お、大丈夫かー」
音駒のボスやリエーフ様、他の面々がやってきた。
なんだ、もう終わっちゃったのか。
もうひと勝負くらいしたかったのに。
「お前名前は?」
音駒のボスに聞かれた。
「ユキ、と申します」
「あー、源氏名じゃなくて本名の方」
…嫌な予感がする。
「本名はお教え出来ない決まりとなっていますので。
手当てありがとうございました。失礼します」
逃げるが勝ちだと、頭を下げ踵を返すと腕を掴まれた。
「お前俺たちの仲間になんねえ?」
嫌な予感的中。
69人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミックスジュース - めちゃめちゃいい作品を有り難う御座います!これからも楽しみにしてます! (2020年11月7日 21時) (レス) id: f935ff1209 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朝夜花 | 作成日時:2020年10月31日 18時