47 研磨side ページ47
夕食の時、Aが烏野に行ったとクロから聞いた。
知り合い…ね。
「もしかして…前に言ってた元カレかな」
そういうと夜久くんがバッとこっちを向いた。
「おーおー、夜久？
男の嫉妬は見苦しいぞ〜」
ニヤニヤするクロもアレだけど…。
「夜久さん、Aさんのこと好きなんですか？」
リエーフが聞く。
「俺も気になります！」
犬岡も続けて言う。
「で？夜久どうなんだよ」
クロの言葉に追い討ちをかけられた夜久くんが俯く。
なかなか口を開かない夜久くんにやじが飛ぶ。
主にクロやリエーフの。
俺はその様子を横目に外に出た。
そのまま暫く待っているとAが帰ってきた。
予想通り男と一緒にいた。
烏野の…西谷夕。
烏野のメンバーを調べた時に彼を知った。
友達であり烏野メンバーの翔陽からも聞いたことがある。
確か年は俺やAと同じ。
運動神経がよくマフィアとしては戦闘に優れている。
性格も明るく男前なムードメーカーと翔陽から聞いた。
「…ちょっといい？」
「西谷は…Aと付き合ってた…よね」
どう切り出すか迷ったが、1番気になったことを聞いてみた。
「…おう。…俺のこと知ってんだな、えっと…」
そう言われて自分が自己紹介をしていなかったことに気がついた。
「孤爪研磨…研磨でいい。多分きみと同い年…」
研磨だな、と西谷はニカッと笑った。
「Aはさ、すげー危なっかしいんだよ。
なのに人に頼るのが嫌いでさ、全部1人で抱え込む」
ベンチに並んで腰掛け西谷の言葉に耳を傾ける。
「俺も当時は知らなかったけどさ、多分親のせいなんだろうな」
親のことは俺も聞いた。
幼い頃からあのように育った彼女はきっと甘えることを知らずに育ったのだろう。
「色々抱えてるやつだけどさ、俺が言えたことじゃねーけど…今のA、すげー幸せそうなんだ」
西谷は愛おしそうに、でも寂しそうに笑っていた。
「だからさ…アイツのこと、頼む」
そう言って俺の目を真っ直ぐ見つめる西谷。
目を真っ直ぐ見つめられるのは苦手だ。
でも西谷からは何故か目を逸らせなかった。
瞳の奥に込められたAへの想いが俺まで伝わってきたから。
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ミックスジュース - めちゃめちゃいい作品を有り難う御座います！これからも楽しみにしてます！ (2020年11月7日 21時) (
レス) id: f935ff1209 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朝夜花 | 作成日時：2020年10月31日 18時
