【ハイキュー】仮面をつけた天才 (ページ38)

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「…ねぇリエーフ。そろそろ離して」

「嫌です！」

音駒のアジトに帰ってから30分。

今私はリエーフに抱きつかれている。

正直リエーフとの身長差がありすぎて苦しい。

「Aさんが悪いんですよ！怪我なんかして帰ってくるから！」

あの後玄関の扉を開けた途端、仁王立ちしていた夜久さんに驚かれ、黒尾さんに頭を叩かれた。

部屋に入ったら犬岡と芝山はテンパるし…。

研磨ですら僅かに目を見開いていた。

虎は私を見て泣き出すし、リエーフはうるさいし…。

手当てが終わり次第飛びついてきて早20分。

…休みたいんだけど。

「まぁまぁA。リエーフも心配してたんだしそれ位許してやれよ」

黒尾さんに言われ、渋々諦める。

「…大丈夫か？」

さっきとは打って変わって真剣な目になった黒尾さんに顔を覗き込まれる。

彼の後ろでは夜久さんも不安げな顔を浮かべ、研磨も顔を上げていた。

目が赤いのがバレただろうか。

「…大丈夫ですよ」

何が、とは言わなかった。

目頭が熱くなり、誤魔化すようにリエーフの胸に顔を押し付けた。

「うぉ！夜久さん！Aさんがデレました！」

「うるせぇリエーフ！」

そんな声を聞きながらそっと目を閉じた。

一筋の涙が頬を伝う。

ありがとう…。

白布＿＿。