【ハイキュー】仮面をつけた天才 (ページ28)

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「おーい！Aー」

リビングから黒尾さんの声が聞こえ、そちらへ向かった。

「なんですか」

嫌な予感しかしないから精一杯不機嫌な顔をして中に入ると案の定だった。

「買い物いってきてくんね？」

「嫌です」

「即答！」

嫌なもんは嫌なんだからしょうがない。

絶対行くもんかと思って踵を返すが、次の一言で思わず立ち止まる。

「あ、そうだ。塩キャラメルとチョコが好きっつってたよな。買ってきていいぞ」

「…何買えばいいんですか」

いった後で少し後悔する。

思わずつられて言ってしまった。

「チョロ…。じゃあこれ頼むわ」

聞こえてますよ。

聞こえないつもりで言ったんでしょうけどね！

メモを受け取って玄関で靴を履いていると、うしろに気配を感じた。

「どうしたんですか…夜久さん」

そう言って振り向くと、バレてたかー、と頭をかく夜久さんが立っていた。

「1人じゃ大変だろ？俺も行くよ」

そう言って靴を履く夜久さんにお礼を言って外に出る。

「今日は手伝ってくれてありがとうございました」

「いいえー。そもそも俺らの分でもあるんだから」

私に軽いものを持たせ、重い方を持ってくれている夜久さんに思わず微笑む。

さりげなく車道側を歩いてくれるところ、紳士だ。

そんなことを思っていると名前を呼ばれた。

「ほ、うづき…？」

その声に思わず足が止まる。

が、すぐに歩き始める。

夜久さんがいいのか、という風に見てきたが、今は一刻も早くこの場から離れたい。

だって私をその名字で呼ぶ人は…貴方しかいないから。

＿＿白布。