【ハイキュー】仮面をつけた天才 (ページ27)

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「大丈夫？…A」

支えを失って倒れた私を受け止めた彼は私の顔を覗き込んだ。

「助かったよ。…京治」

「A！大丈夫か⁉怪我は⁉」

慌てて走り寄ってきた夜久さんに大丈夫です、と伝えると、彼は安心したように笑った後京治の方を見た。

「君…確か梟谷の…」

「赤葦京治です。お久しぶりですね、夜久さん」

「久しぶり。…ありがとな、助かった」

「京治はどうしてここに？」

そう聞くと彼は冷たい目で足元にいる男性を見下ろした。

「俺達のところにも依頼が来てたんだ。でもまさかAがいるなんて…しかも音駒に」

「そういえば2人、知り合いか？」

「あぁ、俺達は＿」

「へいへいへーい！あかーし、終わったか！」

夜久さんの問いに答える京治の声に被せるようにして、大きな声が聞こえた。

「木兎さん！すみません、俺もう行きますね。A後で連絡して」

そう言って京治は私に数字が書かれた紙を渡すと夜久さんに頭を下げて、木兎さん？のもとへかけていった。

その後ろ姿を見送って、返り血で真っ赤になったドレスを脱いだ。

勿論下には別のドレスを着ている。

「夜久さん、私達も行き＿＿」

行きましょう。

そう言って踵を返そうとしたが、腕を引っ張られ気がつくと夜久さんの腕の中にいた。

「え、ちょ、夜久さん？」

離れようと顔を上げるも、回された腕に更に力を入れられ抜けられない。

諦めて大人しくすると、上から夜久さんの声が聞こえた。

「ごめん…助けられなくて。赤葦がいなかったら多分…」

そう言って更に力を入れる夜久さん。

…苦しいです。

「別になんともなかったんですからいいじゃないですか。そもそも私の不注意だったんで」

夜久さんの背中に手を回し、軽くポンポンと叩くとようやく離してもらえた。

「さ、行きましょう」

「あと、さ…赤葦と知り合いなの？」

あか、あし？

誰？

「さっきの…」

…京治か‼

そういえばさっき赤葦京治ですって言ってたな。

前は九条だったから。

「幼馴染ですよ」

「…‼そっか！」

じゃあいこーぜ、と私の腕を引っ張って歩き出す夜久さん。

無事？に今回の任務も終わった。