【ハイキュー】仮面をつけた天才 (ページ21)

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21　夜久side ページ21

全てを聞いた。

俺より小さいその身体でどれだけのものを背負ってきたのだろう。

「…すみません」

小さな謝罪の声が聞こえた。

「私が生きてここにいるとバレたら皆さんに迷惑がかかります。だから私は＿＿」

そこまで言ったところで、彼女の腕を引っ張った。

そして頭に手を回す。

腕の中の身体が少し強張ったのが分かった。

しかし軽く頭をポンポンと叩くとやがて力が抜けた。

「誰も迷惑になんか思ったりしねぇよ。だから1人で溜め込むな。…そうだろ？黒尾」

こちらを見て若干ニヤニヤしている黒尾に問いかける。

「あぁ、Aはもう俺らの仲間だ。俺達は仲間を裏切らねぇし、ちゃんと守る」

…ニヤニヤ隠せてないかんな。

よし、あとでシバく。

黒尾がそういうと続いてリエーフや山本、研磨達も口を開いた。

「そうっすよ！Aさんは俺が守ります！」

「うおおおおおおおおおお‼‼‼」

「虎煩い。…でもまぁ、鳳月組にバレなきゃいいんでしょ」

Aの肩を掴みそっとみんなの方へ向けると、あいつらは満面の笑みを浮かべていた。

それを見て、彼女の白い頬に涙が伝う。

「…私、ここにいて…いい、んですか？」

「おう」

「皆、さんに迷惑…かけますよ」

「誰も迷惑だなんて思ってねぇよ」

「でも、でもっ」

「あぁもう焦ったい！」

中々引き下がらないAに黒尾が声を荒げた。

「難しく考えすぎなの！俺らがどうとかじゃなくて、Aは⁉Aはどうしたいんだ⁉」

その問いかけに皆がAの方を向いた。

「…い、しょに…いたい、です」

そう言ってお願いしますと言う彼女の頭を皆でくしゃくしゃに撫でた。