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私の親はマフィアだ。


この事実を聞かされたのはいつだっただろうか。


物心がつく前だったような気もするし、後だったような気もする。


どちらにしろ、小さい時から言われてきた事だった。


当然…とでもいうべきだろうか。


両親は暴力的で少しでも気に障ることをすると私をすぐに殴った。


だから私は幼いながらも、人の顔色を伺うのが得意だったと思う。


3つ上の姉は、その頃はまだ優しかった。


彼女が私にあたるようになったのはいつからだろうか。


あぁ、そうだ、7歳の時だ。


その頃には私達はもう既にマフィアになる為の訓練を受けていた。


失敗すれば母に叩かれ、成功しても父に殴られた。


私が6歳の時だったと思う。


姉へのあたりが強くなった。


『Aは出来ているのに‼』


『この出来損ないが』


妹と比べられ、ストレスが溜まっていったと思う。


姉が10歳になった時、おそらくそれが爆発した。


きっかけは私の一言だった。


『おねぇちゃん!お父さんがね、今日私のこと褒めてくれたんだ‼』


今思い返しても父に褒められたのはあの一度だけだ。


それが嬉しくて私は姉に言ってしまった。


『あんたさえいなければ…!』


思いっきり頰を叩かれた。


倒れたところを手を踏みつけられ、手の骨が折れた。


痛みに呻く私を見下ろして、姉は去って行った。


その頃から私は出来損ないを演じはじめたのだと思う。


姉に迷惑をかけないよう。


また姉と笑い合うために。


両親は突然出来損ないになった私に最初こそは戸惑ったが、だんだん今まで以上の暴力を振るうようになった。


それは暴力だけに留まらず、食事を抜かれたり、外に一晩締め出されたり、地下の牢屋に閉じ込められたり。


そんな日々に変化が訪れたのは15の時だった。

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ミックスジュース - めちゃめちゃいい作品を有り難う御座います!これからも楽しみにしてます! (2020年11月7日 21時) (レス) id: f935ff1209 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朝夜花 | 作成日時:2020年10月31日 18時

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