プリンスと私。2 ページ2
「僕も2,3年前まではライターとしてQuizKnockで記事書いてたんだけどね。最近は医学部の勉強が忙しくてもう全然参加できてないけど…Aさんみたいな可愛い子が入るって分かってたら、頑張って続けてたら良かったかな」
少しだけ悔しそうな表情を浮かべた後、プリンスはすぐに私にウィンクを投げかけてくれた。
私は自分の胸がギュン!と音を立ててときめいたのを感じて、すぐに呼吸困難に陥った。
「はは、面白可愛い」
私の様子を見たプリンスは楽しそうにケラケラと笑っている。
小悪魔のような人だなと思いながらも、私はその人を憎むことができなかった。
『プリ…水上さんは、なぜこちらに?』
ようやく息を整えた私が尋ねると、
「あぁ、たまたま本屋で水上に会ったんよ。これからオフィス行くって言ったら、今日時間あるから久々に来たいって言って」
なんて素敵な偶然…。
グッジョブ川上さん!
私は川上さんに得意の合掌を決める。
「せっかくこうやって会えたんだし、川上はうるさいし、これから2人でどこか行かない?Aさんとゆっくり話してみたいし」
まさかプリンスからそんな嬉しいお誘いをいただけるとは。
行きたい。物凄く行きたい。
「ダメに決まってるやろ。伊沢さんにバレたらマジでやばい」
川上さんがバッサリと止めに入る。
「バレなければ良くない?それに、Aさんも行きたそうにしてくれてるし」
私が前のめりで目をキラキラさせていると、プリンスは飄々とそう言ってのけた。
いくら止めても絶対に聞かなそうな私達の様子に、川上さんは肩を落として呆れているようだった。
「よし、じゃあ行こっか」
私はプリンスに腕を取られ、外へと連れ出される。
「川上、伊沢さんには言わないでねー」
去り際にそんな文句を言うものだから、確信犯であることを思い知らされる。
私も少しだけ伊沢さんに申し訳ないと思いつつも、自分の欲望のままにプリンスとの貴重な時間を過ごせることを喜んでいた。
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作者名:Annie | 作者ホームページ:https://twitter.com/kmu_annie?s=09
作成日時:2020年3月18日 22時