Enjoy a spooky and sweet party.【QK】 (ページ8)

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Halloween Party 6 ページ8

ようやく彼から解放され、やっとパーティーが始められることに安堵する。

雰囲気を出すために人数分用意したワイングラスに、先日PR案件で大量にいただいた某桃のドリンクを注ぐのだった。

ふくらさんと伊沢さんが動画でコメントしていた通り、ペットボトルを開けた瞬間に物凄い桃の良い香りが。

全員分を注ぎ終え、各々がグラスを手にしたのを確認した後、私はすうっと息を吸い込む。

『今日はお集まりいただきありがとうございます！皆さんの仮装姿が見られてこの上ない眼福です！今日は楽しんでいってください！乾杯！！』

私が音頭を取ると、皆もかんぱーい！と声を揃えながらグラスを掲げた。

その中身を口に含むと、途端に広がる甘く上品な風味。

これは美味しい。

目を丸くしながらもゴクゴクと喉を上下し続け、その液体を飲み干した私は一気に空になってしまったグラスをジッと見つめた。

『皆さんどんどん召し上がってくださいね！』

その言葉をきっかけに、皆はテーブルの上に並べられた料理に手を伸ばした。

人様に食べさせるくらい料理が上手いわけではないのだが、それでも今日のために頑張って作った。

きのこのグラタンにさつまいもの入ったサラダ、栗ごはんにかぼちゃのケーキ…

あまりハロウィンに関係しているものではなくなってしまったが、秋の味覚ということで許していただきたい。

「めっちゃ美味しい！」

「Aちゃんやっぱり料理上手だなー」

皆が笑顔でそう言ってくれたので、とりあえずは一安心。

マズくて食べられないということはなさそうで良かった。

その中で一人がっついている人が。

そう、言わずもがなCEOである。

料理を独り占めしようとしているのか、いろいろなものに手を出しては次々に口に放り込んでいく彼。

「すごい！どれもこれも美味しい！さすがAちゃん！！」

パンパンに食べ物を詰め込んだ口で、おそらくだが彼はそう言った気がした。

だが、彼が最後に口にした唐揚げはふくらさんが買ってきたものだ。

『伊沢さんすみません、それはふくらさんに買ってきていただいたものです』

冷静に私が真実を言い放てば、彼はブフッと吹き出しながら(ギリギリ食べたものは吹いていない)、肩を落として落ち込んだ様子を見せるのだった。