Halloween Party 1 ページ3
そして迎えたハロウィン当日。
皆は集合時間に遅れることなくオフィスにやって来てくれた。
いつも文字通り社長出勤の彼は、なんと集合時間1時間前には自席に座って良い子にしていたほど。
(上司兼年上彼氏に対して“良い子”という表現が正しいのか甚だ疑問ではあるが、他に言葉が見つからない)
前日の夜にはふくらさんと2人で部屋の飾り付けを済ませておいたのだが、今や撮影部屋はかぼちゃと骸骨とコウモリと十字架で埋め尽くされている。
パーティー開始の直前、私は家で作ったお菓子や料理をテーブルに並べたり飲み物を用意したりしていて、片やふくらさんは食べ物が足りなくならないよう念のため買い出しに出かけていた。
この日のためにバッチリメンバー用の衣装も用意した。
早くその姿が見たくてたまらない。
私は逸る心を懸命に抑えながら、せっせとパーティー開始に向けて最終準備をするのだった。
ふくらさんが買い出しから戻ってきて、テーブルにはさらに唐揚げやポテト、スナック菓子などの食べ物が。
よし、これでいいだろう。
作業部屋で待機をしている他のメンバーを呼びに行くと、いつの間にやら全員が勢揃いしていて。
「めっちゃ楽しみ!」
「準備してくれてありがとう!」
と皆が笑顔で声をかけてくれた。
それだけでもう嬉しくて天にも登るような思いだったのだが、まだ皆の仮装姿を見ていないので昇天するわけにはいかない。
『ではパーティーを開始させていただきますが、その前に皆さん衣装に着替えてください』
私はそう言いながら、どでかい紙袋に入った衣装を一つずつ取り出し、それぞれを各メンバーに手渡していった。
「え!何これ!?」
ふとこうちゃんからそんな声が上がったが、敢えて聞こえなかった振りをする私。
全員に渡し終えると、私はそそくさと作業部屋から出て行った。
ドア1枚隔てた向こう側では、皆の楽しそうな声が聞こえてくる。
きっと皆似合うんだろうな。
サイズは大丈夫かな。
そんなことを考えながら、約10分が経過した頃。
皆そろそろ着替え終わっただろうかとこっそりと再びドアを開ければ。
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作者名:Annie | 作者ホームページ:https://twitter.com/kmu_annie?s=09
作成日時:2020年10月28日 21時