Halloween Party 13 ページ15
一旦彼らには退出してもらい、入れ替わりにやって来たのはふくらさん、河村さん、こうちゃんの3人。
「なんか不思議な匂いがするんだけど…」
と言いながら、ふくらさんは神妙な顔をしていた。
まずは河村さんがキッチンに立ち、目の前に並んだ食材を一通り吟味する。
『では1番手河村さん、意気込みをどうぞ!』
カメラを回しながら彼に声をかければ、彼はニヤリと笑った。
「とりあえずさつまいもが入ってればいいんでしょ。切るくらいならできる!」
と言いながら腕まくりをし、1〜2回ほど深呼吸をする。
『それでは1番手河村さんの挑戦です。どうぞ!』
私がストップウォッチを押したのと同時に、河村さんは手早くさつまいもの皮を剥き始める。
伊沢さんと違って実に皮がついたままのさつまいもを次々と鍋の中へと入れていった。
「こんなもん食えりゃいいんだよ!」
そしてコンソメを入れた後、塩と胡椒をパッパッと振りながら、あっという間にスープを作っていく。
ここでタイムアップ。
2番手のふくらさんがキッチンへと入ってきたが、腕を組んで鍋の様子を観察した彼は何かをする素振りを見せない。
「これ、河村がもうほぼやってくれたってことだよね?下手に俺が手出さない方が良いのかな」
と言って、目の前に並ぶ食材の中からソーセージを取り出し、トントンと優雅に切った後ゆっくりとそれを鍋の中に入れていく。
やっぱり彼に野菜を調理するという選択肢はないんだな…
時折くるくるとおたまで鍋をかき回すふくらさん。
そしてタイムアップ。
慌ててアンカーのこうちゃんがキッチンへとやって来て、河村さんとふくらさんの作ったスープの味見をして思案顔。
「もう少しコクがあった方がいい気がする」
と言って、彼が取り出したのはバター。
スプーンでほんの少しを掬い取り、鍋の中へと入れる。
「なんかよく分かんないけどとりあえず入れてみよう!」
そして彼は調味料の中からパセリを取り出し、少量を付け加えた。
よく分からないと言っている割には美味しそうだなぁと思いながら、私は彼の挑戦を見守った。
「さつまいもとソーセージしか入ってないけどいいのかな…」
最後に何を入れようかと迷っている間に、タイムアップ。
両チームの挑戦が終わった。
「なんか割といい感じじゃない?」
「福良ソーセージ入れただけじゃん」
「河村さんがほぼすべてをやってくれてましたね」
先程の伊沢山本須貝チームとは大きく異なる平和なコメントだ。
Halloween Party 14→←Halloween Party 12
118人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Annie | 作者ホームページ:https://twitter.com/kmu_annie?s=09
作成日時:2020年10月28日 21時