A week ago. ページ2
パーティーの約1週間前。
なんと今日は撮影でもないのに、奇跡的にメンバーが全員大集合。
ここぞとばかりに私は作業部屋のど真ん中で声を張り上げる。
『作業中すみません!皆さんちょっとだけ聞いてください!』
珍しい私の大声に、皆は目を丸くしながらこちらへと振り返った。
「なになに?」
「どしたの?」
某クイズ番組の対策勉強会をしていた山本さんとこうちゃんが、期待を込めたような眼差しで私を見つめる。
ゴホン、と一度咳払いをし、私は再び深く息を吸い込んだ。
そして。
『10/31にここでハロウィンパーティーをおこないますので、予定を空けておいてください!!』
満を持してそれを口にすれば、部屋中におお!という歓声が響き渡った。
「何それ!俺聞いてない!」
伊沢さんが席からガタッと立ち上がりながら声を荒げる。
『はい、今初めて言いました』
ピシャリと私がそう返せば、彼はもうそれ以上何も言わなかった。
「パーティーって何すんの?」
ふと須貝さんから尋ねられ、私は自信満々に答える。
『皆さんには私の用意した衣装に仮装していただきます。そしてお菓子を食べたり撮影をしたり、他には今考え中ですがとにかくワイワイする予定です!』
私のお目当てはメンバーの仮装姿なのだが、それだけでは本人達は退屈してしまうだろう。
やるからには“参加してよかった”と思ってもらいたい。
「なんか楽しそうだね」
すぐ近くの席に座る河村さんからそんなことを言ってもらい、私は嬉しさのあまり満面の笑み浮かべた。
すると、今まで無言だったふくらさんが
「ちなみに準備は俺も手伝うよ」
と小さく挙手をしながら名乗り出てくれた。
ふくらさんがいてくれるなら百人力だ。
だが、その中で唯一面白くなさそうな顔をした人が。
「俺もAちゃんを手伝いたい!!!」
CEOである。
皆がパーティーへと期待感を高める中、なぜか一人駄々をこねている。
手伝ってもらえるのは有り難いことだが、ただでさえ忙しい彼に負担をかけるわけにはいかない。
どうしたものかと頭を悩ませていると、
「伊沢の手伝いはいいから。10/31の予定を確保することだけ考えて」
と横からふくらさんがバッサリ。
どこからともなくチーンという終了の音が聞こえ、彼の口からは魂が飛び出ていた。
『では、皆さんよろしくお願い致します!』
ペコリと頭を下げれば、皆は声を揃えてはーい!という元気の良い返事をくれた。
その後皆が仮装をした姿を妄想しながら、私は準備に奔走するのだった。
Halloween Party 1→←One day on the weekend in October.
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作者名:Annie | 作者ホームページ:https://twitter.com/kmu_annie?s=09
作成日時:2020年10月28日 21時