検索窓
今日:4 hit、昨日:11 hit、合計:55,756 hit

A week ago. ページ2

パーティーの約1週間前。

なんと今日は撮影でもないのに、奇跡的にメンバーが全員大集合。

ここぞとばかりに私は作業部屋のど真ん中で声を張り上げる。

『作業中すみません!皆さんちょっとだけ聞いてください!』

珍しい私の大声に、皆は目を丸くしながらこちらへと振り返った。

「なになに?」

「どしたの?」

某クイズ番組の対策勉強会をしていた山本さんとこうちゃんが、期待を込めたような眼差しで私を見つめる。

ゴホン、と一度咳払いをし、私は再び深く息を吸い込んだ。

そして。

『10/31にここでハロウィンパーティーをおこないますので、予定を空けておいてください!!』

満を持してそれを口にすれば、部屋中におお!という歓声が響き渡った。

「何それ!俺聞いてない!」

伊沢さんが席からガタッと立ち上がりながら声を荒げる。

『はい、今初めて言いました』

ピシャリと私がそう返せば、彼はもうそれ以上何も言わなかった。

「パーティーって何すんの?」

ふと須貝さんから尋ねられ、私は自信満々に答える。

『皆さんには私の用意した衣装に仮装していただきます。そしてお菓子を食べたり撮影をしたり、他には今考え中ですがとにかくワイワイする予定です!』

私のお目当てはメンバーの仮装姿なのだが、それだけでは本人達は退屈してしまうだろう。

やるからには“参加してよかった”と思ってもらいたい。

「なんか楽しそうだね」

すぐ近くの席に座る河村さんからそんなことを言ってもらい、私は嬉しさのあまり満面の笑み浮かべた。

すると、今まで無言だったふくらさんが

「ちなみに準備は俺も手伝うよ」

と小さく挙手をしながら名乗り出てくれた。

ふくらさんがいてくれるなら百人力だ。

だが、その中で唯一面白くなさそうな顔をした人が。

「俺もAちゃんを手伝いたい!!!」

CEOである。

皆がパーティーへと期待感を高める中、なぜか一人駄々をこねている。

手伝ってもらえるのは有り難いことだが、ただでさえ忙しい彼に負担をかけるわけにはいかない。

どうしたものかと頭を悩ませていると、

「伊沢の手伝いはいいから。10/31の予定を確保することだけ考えて」

と横からふくらさんがバッサリ。

どこからともなくチーンという終了の音が聞こえ、彼の口からは魂が飛び出ていた。

『では、皆さんよろしくお願い致します!』

ペコリと頭を下げれば、皆は声を揃えてはーい!という元気の良い返事をくれた。

その後皆が仮装をした姿を妄想しながら、私は準備に奔走するのだった。

Halloween Party 1→←One day on the weekend in October.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (66 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
118人がお気に入り
設定タグ:QuizKnock , 伊沢拓司 , クイズノック   
作品ジャンル:ラブコメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Annie | 作者ホームページ:https://twitter.com/kmu_annie?s=09  
作成日時:2020年10月28日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。