Halloween Party 4 ページ6
私のスマホのアルバムが十分に潤いホクホク顔の私は、未だ今日のメインであるパーティーが始められていないことに気づいた。
慌ててスマホをしまい、
『こちらへどうぞ!!』
と皆を撮影部屋へと招き入れる。
そこには先程も述べたようにハロウィンの装飾が一面に施されていて。
一緒に飾り付けたふくらさん以外のメンバーからはわあっと歓声が上がった。
「すご!これAちゃんが飾り付けたの?」
キラキラした目の小悪魔…もとい山本さんからそんなことを聞かれ、
『ふくらさんにもお手伝いいただきましたが、頑張りました!』
と私は照れ笑いを浮かべる。
100均と雑貨屋をハシゴして手に入れた装飾だったのだが、思っていたよりもクオリティの高いものばかりで驚いた。
飾り付けるこちらもうっかり楽しんでしまうほど可愛らしい装飾ばかり。
すっかり日本にも定着した季節行事であるハロウィンに、畏敬の念さえ覚えるほど。
と、ここでなぜかヴァンパイアからの視線に気がついた私は、不思議そうに彼を見上げた。
『何ですか?』
「いや、俺らは仮装してんのにAちゃんはしないのかなぁと思って」
彼は私に期待の眼差しを向けた。
絶対誰かから言われると思っていたのだが、いざ言われるとついギクッとしてしまう。
「そうじゃん」と皆が口を揃えてツッコミを入れ出したので、私はもう諦めて仮装することを決意した。
念のため自分の分も用意したのだが、昨日試着したら思いのほかスカートの丈が短かったのだ。
ただでさえ仮装が恥ずかしいのに、スカートの丈が短いとあってはさらに恥ずかしい。
メンバーに指摘されないようなら、自分は仮装せずにいようと思っていたのだが…。
私は観念したかのように息をつきながら、
『…着替えてきます』
と呟いた。
途端に撮影部屋から拍手と歓声が沸き起こる。
そんなことをしていただくようなものでもないんですが…。
皆と一緒のタイミングで着替えれば、まだ注目度は低かったのかもしれない。
結局今自分一人が着替えることになってしまい、やたらとハードルと注目度が上がってしまったことを激しく後悔する。
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作者名:Annie | 作者ホームページ:https://twitter.com/kmu_annie?s=09
作成日時:2020年10月28日 21時