ダイエット奮闘記。10 ページ10
それからの私は、今までの食事内容を見直し、ローカロリー高たんぱくなものと野菜を中心に摂るよう改善した。
こちらの方が満足感を得やすいし、この前のように栄養不足で倒れる心配もない。
併せて屋外ではウォーキング、屋内ではYouTubeを観ながら脂肪燃焼ダンスをすれば、自然と体重は落ちていった。
1ヶ月後にはダイエット前より2kgとちょっと痩せていて。
家で体重計に乗った瞬間、思わずガッツポーズを決めてしまうほどだった。
まだまだ目標には遠いが、このまま続ければきっと達成できると確信していた。
あの日、彼がくれたあの言葉のおかげで今の私がある。
二の腕やお腹を触れば、今までプヨプヨしていた感触が少しだけ引き締まったようにも感じた。
それだけで、私は無意識に顔を綻ばせてしまうのだった。
「あれ、Aちゃんちょっと痩せた?」
オフィスで撮影準備をしている時、ふと彼に声をかけられて。
男性は女性の変化に気づきにくいと誰かから聞いていたので、私は彼のその言葉が嬉しくて天にも昇る気持ちになった。
『えへへ。ダイエット頑張ってるんです』
あの日から私は彼に何も言わずに、黙ってダイエットを続けていた。
その結果を認めてもらえたようで、本当に嬉しかったのだ。
すると彼は思いもよらないような顔をして。
「え!まだ続けてたの?大丈夫?無理してない?」
と心配してくれた。
気遣ってくれる彼を有り難いと思いつつ、笑顔でピースを決める私。
『今はちゃんとご飯のバランスも考えて運動もしているので、大丈夫です!』
大好きな彼の目に映る自分が、少しでも綺麗でありたい。
それは女の子なら誰でも思うはず。
私は自分の少し引き締まった二の腕を彼に触らせながら、自慢げに胸をふんぞり返らせるのだった。
「ほんとだ!すごいね!」
とにこりと彼が微笑みかけてくれる。
だが。
「俺は頑張ってるAちゃんも、触るとふわふわしてるAちゃんも、どっちも好きだけどね」
と笑みの色を濃くする伊沢さん。
私はビックリ顔のまま硬直。
「Aちゃんが笑ってれば、俺はそれだけで幸せだよ」
そう言って頭を撫でてくれる彼に、私は少しだけ頬を膨らませる。
あなたがそうやって私を甘やかしてくれるから、私がどんどん駄目になっていくんです。
でも、そうはさせませんから!
それが声に出ることはなかったが、彼が好きになってくれた自分のままでいられるようにと、私は日々自分を見つめ直すことを誓ったのだった。
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作者名:Annie | 作者ホームページ:https://twitter.com/kmu_annie?s=09
作成日時:2020年9月22日 20時