今日の二人【QK】 (ページ2)

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コンビニはオフィスから歩いて7～8分くらいのところにある。

だが、その10分弱の間に俺は額から汗が滴るほどびっしょりになってしまった。

彼女もハンカチで汗を拭いながら、懸命に暑さと戦っている。

つないだ手がじんわりと汗ばんでいくのが伝わってきたが、俺の頭には彼女の手を離すという選択肢はなかった。

数分後、ようやく目的地に到着した頃には、サウナにでも入ってきたのかというくらいの汗をかいてしまっていた。

中へ入ると、ガンガンに冷えたコンビニの冷気が汗まみれな俺の身体を一気に冷やしてくれる。

めちゃくちゃ涼しい。
ただ、女の子は身体を冷やしすぎてしまうのではないか。

心配に思った俺が隣の彼女の方を向くと。

彼女は俺の手を離して、足早にアイスコーナーへと駆け出した。

彼女の中では俺＜＜＜アイスなのか…と悲しくなってしまったが、まぁ仕方がない。

一つ息をつきながら、俺もすぐに彼女の後を追ったのだった。

彼女は真剣そのものという表情で、ショーケースに並べられたアイスを眺めている。

普段柔らかい雰囲気をまといながらニコニコしている彼女の、こんなに険しく眉根を寄せている顔はなかなか見られないことだろう。

アイス一つでここまで悩める彼女も実に可愛らしい。

「…何と何で迷ってるの？」

思わずそう声をかけると、

『チョコモナカジャ◯ボかパ◯ムか…』

と呟く彼女。
なるほど。それは確かに悩みそうだ。

「両方買ったら？」

『1日に2個もアイスを食べたら太っちゃいます！』

俺の提案に、彼女はクワッと厳しい顔つきで声を荒げる。

どうやら2日に分けて食べるという考えはないらしい。

『う〜ん…伊沢さんは何にするんですか？』

不意に彼女から投げかけられた問いだったが、そもそも自分にアイスを買うつもりはなかった。
だが、折角だし彼女と一緒に食べるのも悪くないかな、なんて。

「俺ガリ◯リ君」

水色のパッケージのアイスに手を伸ばすと、なるほどという顔をしながら彼女はさらに悩み出す。

ゆっくり悩んでいいよと声をかけたが、それも聞いているのか聞いていないのか。

やがて彼女は、

『決めました！』

と大きな声で言いながら、赤いパッケージのアイスを手に取った。

「モナカじゃなくていいの？」

と尋ねると、

『伊沢さんが棒付きアイスにされるということなので、私もそうしよっかなって！』

と彼女は満面の笑みを浮かべた。