腕相撲クイズ、私視点。 ページ1
3月も終わりに近づいたある日。
私はある動画の撮影の見学のため、いつもの100倍くらいの期待感を胸にオフィスへと向かった。
ようやく少し暖かくなってきたかな、なんて思うようになったくらいの、まだ少し肌寒さの残る季節。
厚手のコートを卒業して薄手のコートに袖を通した私は、時に颯爽と時にスキップをしながら街中を歩いていた。
今日は撮影手伝いではなく、あくまで見学。
手伝いがいらないと言われたらだいたいいつも私は作業部屋で記事を書いているだが、今日は違う。
企画を知った段階で、どうしても撮影に同席させてほしいと頼み込んでまで見学の許可をもらったのだ。
それが何の企画なのかと言うと…
―腕相撲クイズである。
ふくらさんに企画を教えてもらった段階で、絶対に撮影時には立ち会いたいと思った。
普段知力を存分に使って企画に臨んでいる彼らが、珍しく体力も使ってクイズに挑むのだ。
これまで体育館を借りてさまざまな企画を行なったこともあったが、オフィスで体力勝負というのも面白い。
それに。
皆で腕相撲トーナメントだなんて、そんなの絶対楽しいに決まってる…!
本心はそこにあったわけだが、そんな私のミーハーな部分も熟知しているふくらさんは、二つ返事でOKをしてくれた。
嬉しすぎて、今度ふくらさんのお仕事をたくさんお手伝いすることを心に決めた私は、今こうしてルンルン気分でオフィスに向かっている。
もし動画が上がったら、私一人できっと10万回再生くらいしちゃうんだろうな、なんて思いながら、ついに私は歩くのをやめて走り出したのだった。
110人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Annie | 作者ホームページ:https://twitter.com/kmu_annie?s=09
作成日時:2020年8月2日 14時