腕相撲クイズ、私視点。4 ページ4
「さて、ぼちぼち始めますかー」
ふくらさんの一言で、皆は撮影モードに切り替えて気合を入れている様子を見せた。
ワクワクしながらそれを見守っていると、
「よーしAちゃんにいいところ見せるぞー!」
と一人だけ違った方向で気合を入れている人が。
「その調子で伊沢に全問正解してもらわないと、俺が死ぬんだよなぁ」
ぎこちない笑みを浮かべた河村さんが、ちらりとぶら下がり器具の方に視線を移した。
どうやら彼は本当にぶら下がるのが嫌なようで。
こういう時Youtuberは大変だと思うが、それでも嫌々ながら撮影に参加する彼を私は心の中で大いに讃えたのだった。
「ハイドーモッ@◇:§%デスッ」
「山本でーす!」
「こうちゃんですっ!」
「河村でーす」
「本日は…腕相撲クイズでーす!」
「「「「いえ〜〜〜〜〜い!!!」」」」
いつもと同じ挨拶、そしてふくらさんからの企画説明。
私は撮影部屋の端の方で、邪魔にならないように見学をしている。
「そんなこと急に言われたって全然準備できてない」
と早口に言いながら着ていた上着を脱ぎ、どこか嬉しそうに半袖Tシャツ1枚になる伊沢さん。
いくら少し暖かくなってきたとはいえ、3月にTシャツというのはまだ寒いのでは。
だが、ほぼ夏ぶりに見た彼の腕の筋肉が思いの外ほど良くついていて。
苦笑いしながらも、私はジーッとその上腕二頭筋を見つめてしまったのだった。
腕相撲をして、相手の腕の倒した先に早押しボタンがあり。
クイズに正解すると、1分間器具にぶら下がるというルール。
先に3ポイント選手した方が勝利なのだが、私は1秒すらぶら下がれなかったというのに、彼らはそれを何セットもできるものなのだろうか。
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作者名:Annie | 作者ホームページ:https://twitter.com/kmu_annie?s=09
作成日時:2020年8月2日 14時