川上さんと初デートに行く話。 ページ1
川上さんとお付き合いをすることになった。
憧れの人と突然結ばれ、未だに歓喜よりも混乱の方が勝っている。
どうやら周りの人達は私達がとっくの昔から両想いだったっていうことは知っていたようで。
まだ正式にメンバーに発表はしておらず、これから川上さんと待ち合わせをしているので一緒にオフィスに行ってから伝える予定だ。
かつてこれほどまでにオフィスへ行くことに対して緊張したことがあっただろうか。
きっと初めてオフィスに足を踏み入れる時と同じくらい、今の私の胸の鼓動は高鳴っていた。
まずはオフィスの近くにある公園で、川上さんと待ち合わせ。
無駄に緊張していたら、到着するのが時間ギリギリになってしまった。
少しグズついた曇り空の下、小走りで向かうとそこにはすでに彼の姿が。
「おはよう」
彼がすぐに私に気づいて、こちらに目を向けた。
『おはようございます!すみません、お待たせしてしまいまして…』
「まだ待ち合わせの時間やないから、そんなに慌てんでよかったのに」
私が肩を上下させながら乱れた呼吸を整えようとしていると、彼はそんな私の様子を見て少しだけ微笑んだ。
その柔らかい笑顔が物凄く愛しくて。
私は呼吸することも忘れて思わず彼に見惚れてしまった。
「じゃ、行きますか」
一つ息をついた彼に声をかけられ、ハッと我に返る。
心なしか彼も少しだけ緊張しているような面持ちだった。
私が頷いたのを確認すると、彼は力強く一歩を踏み出した。
皆は、どんな反応をするだろうか。
おめでとう、と言ってくれるだろうか。
キュ、と唇を噛み締めながら顔を上げると、彼の姿は思っていたよりも先にあって。
慌てた私は全力疾走でその背中を追うのだった。
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Annie(プロフ) - ひなたさん» ひなたさん、コメントありがとうございます。大事にお読みいただけて、本当に嬉しく思います。出来るだけ現実を忘れられるような、幸せなお話が書きたかったもので…。そう感じていただけて、私の方がお礼を申し上げなければならないくらいです。ありがとうございます。 (2020年7月2日 21時) (レス) id: 8c53967ba8 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 後書きがある時点で今後は書かれることはないのだろう、と大事に大事に読ませていただきました。私も読みながら泣いちゃいました。このお話のkwkmさんが優しくて、消化出来ない色んな気持ちを大丈夫だよって勝手に言ってもらえたようでした。ありがとうございます。 (2020年7月2日 11時) (レス) id: f0ee8abf5f (このIDを非表示/違反報告)
Annie(プロフ) - ゆうかさん» ゆうかさんお読みくださいましてありがとうございました。温かいコメントをいただけて、本当に書いてよかったと心から思っています。これからも他のメンバーのお話を書いていければと思っていますので、引き続きお付き合いいただけましたら嬉しいです。 (2020年7月1日 12時) (レス) id: 8c53967ba8 (このIDを非表示/違反報告)
Annie(プロフ) - 217さん» リクエストありがとうございました。絶対に今日中に書き上げなければと23:57に滑り込みで公開させていただきました。現実からかけ離れて、楽しんで読んでいただけることを願いながら書きました。宝物と言っていただけて、本当に涙が出るくらい嬉しいです。 (2020年7月1日 12時) (レス) id: 8c53967ba8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございました…! (2020年7月1日 7時) (レス) id: 41b5f36188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Annie | 作者ホームページ:https://twitter.com/kmu_annie?s=09
作成日時:2020年6月30日 23時