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伊沢さんに看病される話。12 ページ12

あれからきっと彼は自宅に帰ったことだろう。それからまだオフィスに来ていないのだろうか。
私がその旨を伝えようとすると、ふいに私の背後のドアが勢い良く開いた。

「皆お疲れー!」

玄関の前で立ち尽くす私、
その周りで唖然とする皆、
ドアを開けたまま動かない伊沢さん。

すごいタイミングだな…と皆が同じことを思ったことだろう。
伊沢さんは私の姿を確認すると、

「Aちゃん!まだ休んでてよかったのに」

と私の背中に手を当てた。

『あ、いえ…もう良くなりましたので』

と私がはにかむと、満足そうに「そっか」と伊沢さんも微笑んだ。

「ちょうど伊沢さんの話してたんだよ!」

「なんてタイミングだ!」

「ていうか病み上がりのAちゃんより伊沢のが来るの遅いってどういうことだよ!」

と皆が一斉に騒ぎ出したが、伊沢さんは知らんぷりをしている。

「伊沢、連絡くらい返してよ」

ふくらマ…ふくらさんがいつもより低い声でそう声をかけると、その目は笑っていなかった。
伊沢さんはそれを見てやばいという顔をした後「ごめんなさい」と頭を下げる。

「あの後、ずっとAちゃんの看病してたの?」

ふくらさんがさらに続け、こくりと頷く伊沢さん。
すると、須貝さんが突然

「どんな看病したらぶっ倒れるほどの病人が1日で回復するんだよ!」

と声を荒げた。

どんな…と言われ昨日のことを思い出すと、1番に昨夜のことが浮かんできた。
私と伊沢さんはほぼ同時に顔を赤らめる。

その光景を見た皆は

「何赤くなってんだよ!」

「俺たちにフォローさせといてイチャこいてんじゃねーぞ!」

「QuizKnockの姫に手を出すのは大罪だ!」

と激高し始めた。
須貝さんは伊沢さんの首にガッチリと右腕を回し「皆の前できっちり吐いてもらおうか」とニヤリとしながら、作業部屋へ連行。
それを追いかける山本さん、こうちゃん、川上さん。

私はそれを容赦ないなと遠い目で見つめながら、彼が昨夜のことまで話さないでいてくれることを祈る。

唯一残ったふくらさんが「元気なってよかったね」と声をかけてくれ、私は『はい』と言いながら皆にとっちめられている彼に大きな感謝を送ったのだった。

終わり ログインすれば
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作者名:Annie | 作者ホームページ:https://twitter.com/kmu_annie?s=09  
作成日時:2020年3月14日 10時

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