伊沢さんに看病される話。 (ページ11)

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伊沢さんに看病される話。11 ページ11

その日の午後。

『こんにちはー』

オフィスのドアを開けると、作業部屋からひょこりといくつかの顔が出てきた。

「あれ？Aちゃん！？」

ふくらさんが驚いて私の方に駆け寄ってくる。
さらに須貝さん、山本さん、昨日いなかったこうちゃんと川上さんまで出てきてくれた。

「体調は！？」

心配そうにそう聞かれると、

『すっかり回復しました！』

と私は元気アピールをするためこうちゃんムーブをした後、迷惑をかけてしまったことをふくらさん、須貝さん、山本さんに謝罪する。

「あんなダイナミックにぶっ倒れたから、あの後ふくらさんと山本と“しばらくAちゃん来られないかもね”って話してたんだけど」

須貝さんが私に疑惑の目を向ける。
私はけろりとした顔で皆を見つめた。

「で、でも元気になってよかったね！めちゃくちゃ心配したんだから〜」

「山本さんから“Aが倒れた”って連絡来たときめっちゃびびったわ。心配させんなよ」

「今日なにげに皆テンション死んでたよね」

皆の口ぶりから相当心配をかけてしまったことを感じ取り、申し訳なく思っているとふとふくらさんが

「で、伊沢は？」

と口を開いた。
「連絡したんだけど、全然返ってこなくて」と。