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「Aちゃん、ごめんね。企画で使うものの買い出しお願いしてもいいかな？」
ある日ふくらさんにそう声をかけられた。
彼は申し訳なさそうに手を合わせながら、私をジッと見つめている。
『もちろんです！』
私はそれに対して笑顔で快諾。
今回の企画は彼が担当ということで、こんなことでしかお手伝いをする機会はないからだ。
「ありがとう。これ、買い物メモと経費用の財布」
ふくらさんは私に小さなメモと黒いお財布を渡してくれた。
買うものを一通り眺め、どこに買いに行こうかとしばらく考える。
駅前の雑貨屋さんにでも行こうかな。
そこで売ってなかったら、またその時考えよう。
私は鞄を持って、早々にオフィスを後にしようとした。
すると。
「あ。待って。買い出し行くの？」
PCを開いて熱心に何か作業をしていた須貝さんに、ふと声をかけられた。
『はい』
急に彼から声をかけられたことに若干驚きつつ、私は彼の方へと振り返りながら返事をする。
あ、もしかしてついでに何か買ってきてほしいものがあるのかな。
私がそれを尋ねようとすると、彼はふと席から立ち上がり、ゴソゴソと何かの準備を始めたのだった。
何の準備？
不思議そうに彼を見つめていると、お財布とスマホを持った彼が私の方にやって来た。
ぽかんと口を開ける私に、彼はこう告げる。
「俺も行く」
まさかの一言に、私は驚きすぎて何も言えなかった。
「ほら、行くよ」
硬直する私の手を取りながら、彼は玄関へと向かった。
普段滅多に2人きりになれる機会はないので、私は突然訪れたチャンスになかなか現実を受け入れることができない。
そんな私の手を強く握りながら、半歩先を歩く彼の背中が格好良くて。
少しずつそのチャンスが現実だと受け入れることができた私は、きっかけを与えてくれたふくらさんに感謝しながら、大好きな彼との時間を楽しもうと心を弾ませるのだった。
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Annie(プロフ) - QK Loveさん» コメントありがとうございます！お楽しみいただけたようで何よりです(*´ω｀*)もしよろしければ他の作品もお読みいただけましたら嬉しいです＊° (2020年8月29日 23時) (
レス) id: 8c53967ba8 (このIDを非表示/違反報告)
QK Love - ハツコメ失礼します。完結してからでなんですが、楽しく読まさせて頂いてました！文才とかその他諸々有りすぎて羨ましいです！！長文失礼しました。（すいません） (2020年8月29日 11時) (レス) id: 3f0e3f1478 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Annie
| 作者ホームページ：https://twitter.com/kmu_annie?s=09
作成日時：2020年6月12日 20時
