予測不能すぎる彼女の取り扱い方。【QK】 (ページ8)

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予測不能すぎる彼女の取り扱い方。8 ページ8

「大人っぽくならなくても、俺は今のAちゃんが好きなんだけど。それじゃダメ？」

彼女からの返答はない。

「それにこれから嫌でも大人になるんだから、そんな駆け足で大人になられたら俺の方が寂しくなっちゃうよ」

彼女なりに色々考えてくれたことなのだろうが、それでも無理をせず今のままの君でいてほしいと、どうしても伝えたかった。

「これからもずっと一緒にいるんだから、ゆっくりたくさん時間をかけてAちゃんが大人になっていくところを俺は側で見ていたいな」

その言葉に、ようやく彼女がその可愛い顔を見せてくれた。
自分の顔が思わず緩むのを感じながら、柔らかく微笑む。

「キスしたい。していい？」

心の思うままにそう告げれば、彼女は顔を真っ赤にしながら再び俺の胸元に隠れてしまった。

本当に可愛くてたまらない。

込み上げてくる愛おしさを、抑えることなどできるはずもなくて。

「顔上げて」

その言葉だけ真剣な声で呟く。

彼女は眉毛を下げながらゆっくりとそれに従ってくれた。

柔らかなその頬に手を寄せて、俺は彼女にそっと口づけをする。

少しだけクリームの甘さが残る唇。

彼女の長い睫毛には、未だ涙の粒が。

それが物凄く綺麗で。

細い身体を抱きしめながら、俺は何度も彼女にキスをした。

俺には君がすべてなんだ。
どうかずっと側にいさせてほしい。
愛してるなんて月並みな言葉じゃ言い表せないくらい、君が大切で。

今日みたいな涙の日も、“こんなことあったね”って笑って言えるようになりたい。

だから、急がないで。
君は俺の隣でゆっくり大人になって。

時々予測不能な君に困ってしまう時もあるけど、そんなところも大好きだよ。

そんな思いを胸に、口づけをしていた唇をゆっくりと離した。

すると、まるでそれが伝わったかのように、君は花開くような笑顔を俺に見せてくれたんだ。