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予測不能すぎる彼女の取り扱い方。6 ページ6

まさか彼女がそんなことを考えているとは露程も知らず、俺は自分の失言を責めることしかできなかった。

未だ顔を見せてくれない彼女を見て、俺はまた一つ息を吐く。

女心は難しいなぁ。

どうやら今までのやり取りをチラチラと見ていたらしいこうちゃんも、俺に若干の哀れみの目を向けていた。

さて、どうしたらお姫様の機嫌が直るのだろうか。

優しく声をかけるべきか、もしくはそっとしておいた方が良いのか。

どちらにせよ彼女が余計に頑なになってしまうような気がして、なかなか行動に移せない。

頭を掻きながら、どうしたもんかと途方に暮れる。

すると、ふと撮影部屋に取り残されたケーキ達のことを思い出した。

このまま放置しておくと、あまりよろしくないことになりそうだ。

ここでピーンとある策を思いついた俺は、ゴホンと咳払いをした。

「撮影部屋に置いたままのケーキ、どうしようかなぁ。このままだと美味しくなくなっちゃう気がするなぁ」

どこからどう聞いても棒読みだったのだが、それでも彼女の耳がピクリと動いたのを俺は見逃さなかった。

よし、あとひと押しだ。

「せっかくAちゃんのために買ってきたんだけどなぁ。俺が食べちゃおうかなぁ」

我ながら猿芝居にもほどがあるな、と思いながら、チラリと彼女の方を見やると、彼女はやっと顔を上げたのだった。

涙でぐしゃぐしゃになったその顔に、俺は胸が締め付けられる思いがした。
知らなかったとはいえ、俺がこんな顔をさせてしまったのかと思うと、どうしても自責の念に駆られてしまって。

それでも、そんな彼女の泣き顔を見てさらに愛おしくなってしまうのは、我ながらとことん彼女に惚れているんだなと痛感させられる。

苦笑いを浮かべながら、俺はポケットからハンカチを取り出した。

「ほら、涙拭いて。ケーキ食べよう」

それを差し出すと、彼女はおずおずと遠慮がちに受け取る。

小さく礼を述べながら目元を拭う彼女に、俺はようやく安堵の息をついた。

ゆっくりと手を差し伸べると、彼女は数秒何かを考えた後その手を取って。

俺達はまた撮影部屋へと戻ったのだった。

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設定タグ:QuizKnock , 伊沢拓司 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:Annie | 作者ホームページ:https://twitter.com/kmu_annie?s=09  
作成日時:2020年5月31日 20時

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