検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:39,487 hit

笑わない君に、恋をして。2 ページ2

「お疲れさまです」

1月のある日、いつものようにオフィスに川上さんがやって来た。
Youtubeの活動は卒業したが、引き続きQuizknockの社員として働く予定の彼は、変わらずここで仕事をする。

『あ、川上さんお疲れさまです!』

不意に現れた好きな人に、私は溢れんばかりの笑顔。

「皆は?」

『今日は企業案件の撮影で外出してますよー』

そう、今日私はお留守番だ。
本当は撮影について行きたかったが、記事の執筆がなかなか終わらない私は独りオフィスでPCとにらめっこ。

「そうなんや」

川上さんは特に気にすることなく、自分の席についた。

突如訪れた想い人との2人きりに、胸のときめきが止まらない私。

ただ、特に彼と会話することもなくお互いのキーボードを叩く音だけが部屋中に響き渡る。

何か彼が楽しんでくれるような話題はないだろうかと必死に考えるが、こんな時に私の頭はまったく働かない。

自分のトークスキルのなさを痛感した私は、その場で頭を抱えたまま撃沈。

「…何してんの」

そんな私を、川上さんが不審者を見るような目で見つめている。

『え!?あ、記事の執筆が上手くいかなくて!』

乾いた笑いで咄嗟に誤魔化したが、明らかに彼の瞳は笑っていない。

いつも彼に向けられるのはそんな視線ばかり。
出来の悪い私を見て呆れているに違いない。

しょんぼりしながらおとなしくPCに向き合う。

すると。

「ちょっと見せてみ」

川上さんがデスクチェアに座ったままこちらへやって来た。
好きな人との急接近に私は戸惑いを隠せない。

胸の鼓動がバクバクとうるさいくらいに高鳴っていたが、そんな私の様子にはまったく気づかない彼が、ジッと私のPC画面を眺めている。

笑わない君に、恋をして。3→←笑わない君に、恋をして。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (109 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
185人がお気に入り
設定タグ:Quizknock , 川上拓朗 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Annie(プロフ) - 217さん» ありがとうございます!共感していただけて大変恐縮です…!お話も楽しんでいただけて本当に嬉しく思います。これからも少しでも楽しんでいただけるよう頑張りますので、よろしくお願いします! (2020年5月13日 12時) (レス) id: 8c53967ba8 (このIDを非表示/違反報告)
217(プロフ) - いつもお話を拝読している者です。いつも楽しく読ませてもらっています…!今回のお話があまりにも自分の気持ちを代弁してくれていたので我慢できずにコメントを書いてます。どのお話もだいすきです。これからも応援しています…! (2020年5月13日 0時) (レス) id: cc2f607952 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Annie | 作者ホームページ:https://twitter.com/kmu_annie?s=09  
作成日時:2020年5月12日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。