検索窓
今日:1 hit、昨日:10 hit、合計:50,898 hit

伊沢さんが出張に行く話。6 ページ6

迎えた4日目。

もはや私は無心でキーボードを叩く機械と化していた。
相変わらずデスクに座った彼が私を見つめていたが、もうそんなことを気にしている私ではなかった。

伊沢さんに会いたい。

TwitterのTLにある伊沢ツイートを見てしまえば、もう彼のことしか考えられなくなることは目に見えていたので、スマホはカバンの奥深くにしまったままだ。
ここまで来て突然彼から連絡が来るとも思えなかった。

私は死んだ魚のような目でPC画面を見続ける。
こんな状況においても作業ができる自分にいっそ感心してしまったほどだ。

「ねぇ、誰か声かけてあげなよ」

「えぇ〜無理じゃない?」

「なんかあそこだけ空気淀んでるね…」

何やらヒソヒソ言われている気がするが、今は聞き耳を立てる余裕もそれに対して反論する余裕もなかった。
ひたすら作業のことを考えていなければ、キーボードを打つ指先が止まってしまう気がしたからだ。

一人どんよりとした空気を醸し出していることに申し訳なく思いながらも、どうか空気清浄機が働いてくれることを強く願う。

あと1日。明日には伊沢さんが帰ってくる。
だがそれはいつなのだ?

正確に言えば、あと5時間後にはもう明日だ。
だからといって、深夜0時ちょうどに彼が帰ってくるなんてことはまずないだろう。
そうすると、24時間後の可能性だって大いにあり得る。

ただでさえ今の私はドン底にいると言っても過言ではないというのに、もしそうなったとしたら?

苦悩に満ちる私の脳内。
血が滲むほど強く唇を噛み締める。

あの時あんなに憤慨して大丈夫だと言い張ったのに、情けないなぁ。
まさか自分がこんなに弱いとは露ほども思わなかった。

伊沢さんが出張に行く話。7→←伊沢さんが出張に行く話。5



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (140 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
119人がお気に入り
設定タグ:QuizKnock , 伊沢拓司 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Annie(プロフ) - ありがとうございます!応援とても嬉しいです(照)もっと素敵な伊沢さんをお届けできるよう頑張ります! (2020年4月2日 20時) (レス) id: 8c53967ba8 (このIDを非表示/違反報告)
空白@吹部@Tp@不定期浮上(プロフ) - Annieさんの書く伊沢さんが私が考えてる伊沢さんで好きです(大声)応援してます!これからも頑張ってください! (2020年4月2日 3時) (レス) id: 16e27b9642 (このIDを非表示/違反報告)
sekainoowarilov(プロフ) - Annieさん» 興奮で言い忘れてしまいました、いつも作品楽しんで拝読しています。これからも頑張ってください!!楽しみに待っています! (2020年3月30日 21時) (レス) id: 8cc800abef (このIDを非表示/違反報告)
Annie(プロフ) - sekainoowarilovさん» えー!泣かないでください!笑でも嬉しいですありがとうございます…!これからも頑張ります! (2020年3月30日 17時) (レス) id: 8c53967ba8 (このIDを非表示/違反報告)
sekainoowarilov(プロフ) - 好きすぎて本当に悶えました、深夜に読んでいるので悶えすぎて泣きました、ありがとうございます! (2020年3月30日 3時) (レス) id: 8cc800abef (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Annie | 作者ホームページ:https://twitter.com/kmu_annie?s=09  
作成日時:2020年3月26日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。