【呪術廻戦】三億の兄様【男主】

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「兄様の好物教えろ」


「さ、悟様！何故ここに！？」



厨房の扉を荒々しく開けると、使用人たちは驚いておどおどザワザワし始めた

俺はそんな様子など構わず、料理長に問い詰める


「だーかーら、兄様の好物教えろって」


「えっと、A様は、と、特にはありません」


「ない？」


「はい、食べてる時は無表情ですし、好き嫌いを私たちに語った事がありません」



なんて兄様らしいんだろう

まさか、食べ物にも無関心なのか？


これは困ったと悩んでいると、料理長が思い出したように言った



「あっ、でも一時期はホットケーキをずっと注文されました」


「ふーん、兄様はホットケーキが好きなのか」


「いえ、食べた時は"味が違う"と必ず仰っていましたから、多分違うかと」




違う？

ホットケーキの何かを求めているのか？




______僕の家族は亡き父と母だけ









もしかしたら、両親が作った味を求めているのかもしれないな


今は、それしか思いつくものはない



「調べてみる価値はありそうだな」


「さ、悟様？」


「ありがとな、料理長」



そう言って、厨房の扉を開けて道場へ向かった

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