日常が ページ33
パーン!
部屋に入った途端に盛大に鳴らされたクラッカー。
それを持っているのはあの時に出会って、そのまま新たな研究所にまで着いてきてくれた彼らだった。
「え!?
びっくりしたぁ…今日って何の日だっけ?」
私の誕生日はまだ先だし、皆と出会った日でもない。
「忘れたの?今日はAが研究所を貰った日なんだよ?
はいコレ。俺とオスマンから。」
魔術を使わずに育てたんだよと色とりどりの花束をひとらんから渡される。
「え、忘れてたん?俺らと出会った日は正確に覚えとんのに?
あ、これは俺と大先生とトントンで作ったやつ。味は保証する。」
ロボロからは大きなケーキのようだ。ちょっと1人で食べ切れるサイズじゃない。
「皆と会った日は日記に書いてあるからね。成人してからは日記付けてなかったから今日のことは忘れてたなぁ。
そっか。研究所貰ったのって1年前の今日なんだね。」
しみじみとしながら先程渡されたケーキを切り分ける。
「Aさん日記付けてたんですね!
そしたらまた日記始めてみませんか?私とグルッペンさんとゾムさんで選んだんですけど、ノートとペンなんです。」
エミさんから質のいいノートと高級感漂う万年筆を差し出される。
「なんでお前が渡してんねん!」という声が2つ聞こえたが、これは触らぬ神に祟りなし。エミさんに心の中で合掌して、これらは大切に保管しよう。
「ありがとう。そうだね、丁度いい機会だしまた書き始めるのも悪くないかも。
あ、シッマって確か甘いの苦手だったよね?ケーキ小さめの方がいい?」
ふと思い当たり、確認を取る。
「あぁうん、せやな。フーン!わかっとるやんけ!
せやせや、俺らもプレゼントあんねん。シャオロンとショッピくんと選んだやつ。俺はサッカーユニフォームがええって言うたんやけど止めんねんアイツら!」
そう言いながら取り出したのは水色と黄色と紫色が組み合わさったシュシュ。
うまい具合に3人のイメージカラーが入っている。よく有ったなこんなの。
「あはは…まぁサッカーユニフォームよりはこっちの方が普段使いできるからありがたいかも。」
切り分け終えたケーキをそれぞれに配分し、シュシュで髪をくくる。
いつの間にやら用意されていた紅茶の香りが鼻腔を擽った。
「私のためにこんなに用意してくれてありがとう。
これからもよろしくね!」
何も変わらないこの日常が、何より愛おしい。
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ウラシル@ひぃ(プロフ) - なづきさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけたのなら幸いです。 (2019年11月27日 16時) (レス) id: a76b54135a (このIDを非表示/違反報告)
ウラシル@ひぃ(プロフ) - アイリさん» コメントありがとうございます。失礼ながらタイトルがとあるボカロ曲をモチーフにしただけであり内容は関連付けでおりません。申し訳ありませんがリクエストも現在受け付けてはおりません。すみません… (2019年11月27日 16時) (レス) id: a76b54135a (このIDを非表示/違反報告)
なづき - 素敵な作品をありがとうございます!応援しております!、! (2019年11月27日 1時) (レス) id: 5b1f2f213c (このIDを非表示/違反報告)
アイリ(プロフ) - 最初の説明でボカロ曲をテーマにしたと書いてあったので楽しみながら読んだ結果とても面白かったです!リクエスト宜しければですがゴーストルールをテーマにしたお話を作って貰うことは可能でしょうか?宜しければでいいので作ってもらえると光栄です!楽しみにしてます (2019年11月23日 17時) (レス) id: bf188ab197 (このIDを非表示/違反報告)
ウラシル@ひぃ(プロフ) - カフェモカさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけたのなら何よりです。また何処かで会う機会がありましたらよろしくお願いします。 (2019年11月22日 16時) (レス) id: a76b54135a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ウラシル@ひぃ | 作成日時:2019年11月18日 22時