inverse

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「おまえ、最近携帯よく触ってるよな？」


ドサって俺の隣に座って肩を組みながら
遠慮することもなく画面を覗きにくるヒョク


「はぁ？お前なに？女？」

「うん。」

「大丈夫…なのか？」

「どう思う？」

「まぁ…今んとこは…な
けど」


解ってる
今までの事があるから…だろ？


「ヒョクはさぁ、運命とか信じるタイプ？
だろ？」

「は？急に何？お前」

「逢っちゃったんだよ
っていうか、ずッと前に逢ってたのに
気付けなかったんだよな

けど、逢ったんだよ」

「はぁ？なんだよそれ？
お前はいつも言葉が足らないんだよな…


えーと、昔の知り合いと再開して
運命を感じた


そういう事？」


解ってんじゃん


「そういう事

いっぱい不安だけど、あいつから離れるとか
考えられない」

「お前さぁ…」


ん？なんで溜息？


「いつもそんな事言ってねぇ？」


そう？か？


「だとしても、今回は違う

離れてるけど、いつも一緒なんだ」

「離れてる？

そう言えば、夜出かけてるわけでも
朝帰りが増えたわけでも…無いな

…遠距離？！
お前が？
マジで？」


そんなに驚くことか？


「そう、けど
いつも一緒にいる気がする

きっと今俺のこと考えてるなぁ

とか

今さみしいのかなぁ

とか

解るんだ」

「お、おぅ…」

「鏡の向こうの俺…みたいな
俺の一部分をAが持ってて

Aの一部分を俺が持ってる

そんな感じで
繋がってるんだ」


うん。ホントそんな感じ
俺、すごいいい例えが出来た

と、思う


「すごい疲れてる時とかあるじゃん」


ヒョクなら解ってくれる
って言うか、ヒョクには解って欲しい


「そんな時、別に何も言わないのに
Aは、解ってるみたいに優しい言葉をかけてくれるし

背中押して欲しい時は押してくれる」

「Aちゃんって言うんだ」

「うん。
すごい可愛い、賢いけど
チョット抜けてる

そこも可愛い」

「あぁ(笑)解ったよ

お前に抜けてるとか言われてAちゃんもかわいそうに(笑)

お前が幸せで、相手も幸せなんだったらいいよ
今のところ、いい仕事してるしな

なんかいい顔してるよ

いつか、合わせろよな
お前の運命の人にさ」


二って笑ってそう言ってくれたヒョクを
思わず抱きしめたら


「Aちゃんに嫌われるぞぉ」

って言いながら
抱きしめ返してくれたんだ

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