大人の余裕ってやつ ページ17
「 ゆりちゃんに彼氏なんて... 」
「 これからどう生きていけばいいのかな、僕 」
「 ... 」
『 先輩方、取り敢えず場所を変えましょう 』
パソコンのタイピング音が響く、まるでASMRかのような環境の中、優雅にゲームをプレイしていたさなかの事。
ノックもせずに入ってきた二人の先輩は、今にも死にそうな顔をしている。
後輩そして同級生並びに先輩までもが、その様子をぎょっとした顔で見ていた。
どうにかしてくださいと言わんばかりの視線が降り注がれている気がして、傷心しきっている二人の先輩の腕をつかんで部室から出る。
『 なにかの間違いだと思いますけど... 』
「 絶対違う。絶対彼氏だよ。もう無理。僕死ぬ 」
『 叶先輩早まらないで 』
「 俺証拠あるし 」
心地よい夏の風が吹く屋上で、呆れた顔で二人の先輩を見下ろす。
今にでも頭からきのこが生えてきそうなんて考えていれば、葛葉先輩が一つの写真を見せてくる。
「 昨日、一緒に帰ったときに、家まで送ったんだけどさ、そんとき男の声がして 」
『 あの葛葉先輩が、女の子を、家まで送る、、?』
「 大事なとこそこじゃねぇよ 」
「 閉まりかけたドアの隙間からこっそり撮ったんだけどさ、」
『 一歩もう間違えてますけど、立派な盗撮ですよね、それ 』
事の発端をぽつぽつと話す葛葉先輩に、適当に相槌をうちながら聞いていれば、「 細かいことはいいんだよ!」とずいっとスマホの画面を押し付けられる。
「 こいつが映ってたんだよ 」
「 葛葉吸血鬼でしょ?なんかできなかったの?」
「 んな便利じゃねぇよ 」
「 俺半分人間みたいなもんだし 」
「 チャームとかいろいろあるじゃん!」
「 てめぇ魔力消費量をなめんな!!」
ぎゃあぎゃあ騒ぐ二人を横に、見せられた写真を見る。
片手にお玉を持って、エプロンを付けた先輩方が"彼氏"と騒ぐその姿に私は見覚えがありすぎた。
と同時に、一気に肩に疲れが落ちてくる。
『 これ、"がっくん"ですよ 』
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うえ - 変更楽しみです〜!!応援してます!! (4月25日 15時) (レス) id: 0e5cf0185e (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - ミさん» ほんとにいつもありがとうございます泣 (4月20日 18時) (レス) id: 5830ae0130 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - (^o^)/さん» ありがとうございます 泣 (4月20日 18時) (レス) @page17 id: 5830ae0130 (このIDを非表示/違反報告)
ミ - 更新ありがとうございます😿❤️ 語彙の振り幅が広がってて変更後の話もとっても楽しみです!!これからも楽しみにしてます!! (3月30日 0時) (レス) @page15 id: d9f25f1b2e (このIDを非表示/違反報告)
(^o^)/(プロフ) - めっちゃ好きです無理せず頑張ってください楽しみにしてます (3月19日 21時) (レス) @page22 id: b873b0040b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいら | 作成日時:2023年11月3日 21時