・ ページ15
「 A〜、今日一緒に帰れる？」
私はこの質問に、なんと答えるのが正しいんだろう。
『 図書館寄りたいから、それでもいいなら 』
悩んだ末に、馬鹿正直に答えることにした。
変に回りくどいのも怪しまれるだろうし、葛葉先輩には申し訳ないけど。
「 わかった。じゃあ放課後、 」
『 あ、ゆり！あの、靴箱前で待ってて！私今日掃除あるんだった！』
だけど、なぜか私の良心が痛む。
なんでか分からないけど悪いことをしている気分になってくる。
「 靴箱前？普通に教室でよくない？」
『 靴箱前のほうがいいじゃん、ほら距離的に 』
「 なんかよくわからないけど、いーよ 」
授業の始まりを告げるチャイムが鳴り、各々席に着く。
「 授業始めるぞー 」
今まで窓側の後ろの席なんて、夏は暑いし、冬は寒いから最悪だと思っていたけど
始めて後ろの席でよかったと思えた。
スマホをささっと取り出し、机の中に隠しながらメッセージアプリを開く。
【葛葉先輩】
そうなんの飾り気のない文字をタップし、トーク画面を開く。
【放課後、ホームルーム終わり次第、私のクラスの下駄箱前に行ってください】
【なるはやで】
素早く文字を打ち込み、電源を落とす。
きっと保健室か屋上でサボってるだろうから、すぐに既読印がつくことだろう。
安心して授業を受けながら、そんなことを考えていれば、
『 (待って、葛葉先輩って私のクラス知ってるのか？)』
一つの邪念が頭をよぎる。
いつも話すときは、廊下か部室か先輩の教室前とかでしかない。
「 じゃあ、この問題を、綾瀬 」
一抹の不安を抱きながら、
どうか葛葉先輩が私のクラスを知っていますようにと祈る事しかできなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1522人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うえ - 変更楽しみです〜！！応援してます！！ (4月25日 15時) (
レス) id: 0e5cf0185e (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - ミさん» ほんとにいつもありがとうございます泣 (4月20日 18時) (レス) id: 5830ae0130 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - (^o^)/さん» ありがとうございます 泣 (4月20日 18時) (レス) @page17 id: 5830ae0130 (このIDを非表示/違反報告)
ミ - 更新ありがとうございます😿❤️ 語彙の振り幅が広がってて変更後の話もとっても楽しみです！！これからも楽しみにしてます！！ (3月30日 0時) (レス) @page15 id: d9f25f1b2e (このIDを非表示/違反報告)
(^o^)/(プロフ) - めっちゃ好きです無理せず頑張ってください楽しみにしてます (3月19日 21時) (レス) @page22 id: b873b0040b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あいら | 作成日時：2023年11月3日 21時
