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そんなこんなで、すっかり外は暗くなってしまった。
そう言えば私、ろくにお昼ごはんも食べてないんだった。
「ねぇテヒョン?夕ご飯何がいい?何か好きなものはある?」
そうだ、こうやって地道に色々質問して、ちょっとずつ知っていけばいいよね、彼のこと。
「Aが好きなものは何でも好き!」
そんなわけないだろとツッコみつつ、呼び捨てなことに一瞬動揺。
もういいか、なんて呼ばれたって。ってか呼び方なんて気にしない!
じゃあここは無難にピザでも取ろうかな?
若い男の子はそういうの好きそうだし!(私が料理できないことは黙っとく)
買いに行く手間も省ける。
「ピザ取ろっか!金も増えたし、なんでも食べ放題だよ!」
スマホでちゃちゃっと検索して、適当なピザを選ぶ。
「テヒョンは嫌いなものはある?私無いんだけど」
「Aが好きなものなら全部好き。だからその反対は……わかるでしょ?」
「っ……、わかったよ」
あーまったく!またゆでダコみたいになってるし……。
たかがピザ頼むだけなのに、何でこうも心臓に悪いことばっかするんだコイツ……。
適当にピザを二枚ほど選んで電話する。
その間なぜか、テヒョンはずっと電話を持つ私の腕に、自分の腕を絡ませて肩口に顎を引っ掛ける。
へんな汗をかきながら、ひとまず注文を終わらせた。
「テヒョン!電話の時くらいその……、くっついてくるのやめてよ、いや、嫌だとかそんな意味じゃないけど……」
息があたってるの!!なんかピンクな匂いがしてんの!!
いちいち息するだけで年齢指定つきそうなの!このSM両刀エンジェル!
「電話の声男の人だったね」
「私の話は聞かんのかい……」
「ぼくのほうがカッコいいよね?」ニマニマ
「かっこいいよ(ため息)」
「本当に?本心で言ってる?」
まだ腕を絡ませたまま、私の顔を横から覗き込んでくる。
しかもその表情と言えば、唇を少し尖らせて、眉尻もちょっと下げることを忘れない、超完璧破壊型困り顔。
んな困り顔されたら、こっちは困るどころか精神が困窮しますけどお?!
「あー!全部本心嘘吐かない!約束するしなんなら契約する!契約書プリントして!」
「そんなのいらない。ぼくにはこれがあるから」
絡む腕とは反対の腕を持ち上げて、テヒョンは私の髪にそっと手を伸ばした。
そして一房を掬い上げ、それを口元に持っていく。
「想いはサインより強いよ?」
そして口づけた。
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ミョンファ(プロフ) - すんしむさん» コメントありがとうございます!続編も更新頑張ります^^ (2016年12月27日 23時) (レス) id: 587a0a36a9 (このIDを非表示/違反報告)
すんしむ - すごいおもしろいです! それでは、続編今から行ってまいります! (2016年12月27日 10時) (レス) id: c07ed66232 (このIDを非表示/違反報告)
ミョンファ(プロフ) - ふぅかさん» ありがとうございます!これからもはっちゃけて更新頑張ります! (2016年12月24日 0時) (レス) id: 587a0a36a9 (このIDを非表示/違反報告)
ふぅか(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!、この後の展開がとても楽しみです!頑張って下さーい! (2016年12月24日 0時) (レス) id: 2c1116535e (このIDを非表示/違反報告)
ミョンファ(プロフ) - はばななさん» ありがとうございます!ペットのほうも読んでくださったのですね、嬉しいです。小説大好きと言ってくれることが何より励みになって、もう感動してます…これからも頑張ります! (2016年12月12日 7時) (レス) id: af06c6e6f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミョンファ | 作成日時:2016年12月7日 17時