検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:275,179 hit

38 ページ38

.


「テヒョナ…?」


「なあに?」


「ごめんね、テヒョンのこと、また傷つけるかもしれない。でも正直になろうって思って」


「へ……?」


「私、バイトしてたんじゃないの」


ほとんど何も見えない暗闇で、テヒョンの声だけが様子を知ることのできる頼りの中で。


正直に話すって本当に勇気がいる。


もし言い終わった後、テヒョンが怒ったら、泣いたらどうしようって考えてしまう。


もう不安にさせるのは、失望させるのは、はたまた自分が嫌われるのは……すごく怖い。


世界には怖いことだらけだな。正直でいるのも怖いだなんて。


でもここで正直にならなきゃ、また嘘つき続けることになる。


もう曖昧に、中途半端にしていたくないから。


「私、バイト終わった後、バイト先の先輩と一緒にいたの。それで、色々たくさんのこと話してて、それで遅くなったの……ごめん、待っててくれたのに」


「そうだったんだね。そうだ、電話番号言ってなかった。今度から電話してね……?」


「うん…わかった」


あれ、なんか普通に終わっちゃった。


もっと怒るかなとか、泣いちゃうかな、とかそんな反応を予想してたのに……。


それか、嫉妬、とか……。


って何考えてんだ私、会ったばっかの人が嫉妬とかするわけないのに!!


してくれたらいいな、とか思っちゃったりして……。


というか、もしテヒョンが違う女の人といたら、ちょっと……嫌な気持ちがするかもしれない。


って、私マジでどうしちゃったんだ。おかしいよね。こんなこと思って……。


「A?寝てる?」


「っ、寝て、ないよ……」


「眠たくない?ぼくうるさい?ぼくのせいで寝れない?」


「いいいいやいやいや、そっ、そんなことないよ、テヒョンのせいじゃない!」


ぼくのせいで、とかいうからビックリして大声出しちゃったお……。泣

テヒョンって、どうしていつも自分のせいかなみたいに、自虐の方向に向かって行くんだろう。

自分のせいなんかじゃないのに、そうやって言われると私が虐めてるみたいで心苦しい。


まさか、それが狙いなのかな……?


「ぼくのせいじゃない?ほんと?よかった……」


「う、ウン……」


「おやすみA」


「おやすみ、テヒョン…」


テヒョンは一層私の体にぴったりとくっついて、手と体をぎゅっと抱きしめた。


嫉妬しなかったり、自分のこと責めたりするのって、彼が無邪気だから、なのかな。

こんなにも穏やかな寝息を聞いてそう思った。

39→←37



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (124 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
625人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ミョンファ(プロフ) - すんしむさん» コメントありがとうございます!続編も更新頑張ります^^ (2016年12月27日 23時) (レス) id: 587a0a36a9 (このIDを非表示/違反報告)
すんしむ - すごいおもしろいです! それでは、続編今から行ってまいります! (2016年12月27日 10時) (レス) id: c07ed66232 (このIDを非表示/違反報告)
ミョンファ(プロフ) - ふぅかさん» ありがとうございます!これからもはっちゃけて更新頑張ります! (2016年12月24日 0時) (レス) id: 587a0a36a9 (このIDを非表示/違反報告)
ふぅか(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!、この後の展開がとても楽しみです!頑張って下さーい! (2016年12月24日 0時) (レス) id: 2c1116535e (このIDを非表示/違反報告)
ミョンファ(プロフ) - はばななさん» ありがとうございます!ペットのほうも読んでくださったのですね、嬉しいです。小説大好きと言ってくれることが何より励みになって、もう感動してます…これからも頑張ります! (2016年12月12日 7時) (レス) id: af06c6e6f1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミョンファ | 作成日時:2016年12月7日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。