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いきなり不意打ちの男気発言きた!いや、もう散々遅いですから気にしなくていいのに。

と思ったけど、ユンギさんは急ぐように席を立つ。
私も後に続く。


「電車だよな?どこ行き?」


「トンギョン行きです」


「俺はプムチョン行きだ。逆だな」


「一人で帰ります。大丈夫ですよ」


「すまねぇ」


「いいんですよ。今日はごちそうさまでした。今度は私が奢りますからね!」


「いや、それ恥ずいだろ」


「次バイトで会ったら、テヒョンの写真見せますね!」


「あぁ。期待してる」


それからユンギさんと駅まで歩いて、さよなら〜と簡素に挨拶をして別れた。

最初は処刑でどうなることかと思ったけど(汗)、なんだかんだで楽しかった。

まさかユンギさんもエンジェルを持っているとは、予想もつかなかった。


でもすごく仲がいいみたいだし、私もあんな風になれたらいいなぁ。


とか電車に揺られながら考えていた。


ユンギさんとの会話のことばかりで、私は大事なことを忘れていたんだ。









そう、大事なことと言ったら、テヒョンのことしかないじゃないですか。

私、本当に処刑されればよかったってくらい、すごいことしでかしたかもしれない。


だって目の前でテヒョンが泣いてるんだもの。


「A、っ、どこ、いってたの」


「バイ、ト、です……」


そう、私はバイトをしていた。テヒョンは私がどういうシフトでバイトに入ってるかまだ知らない。

だからこの時間までバイトしていたってことで押し切るしかない。


なんて、まだ言い逃れる理由を考えてる、私は最悪の卑怯者だった。

知らなかったの、テヒョンって明るかったし、元気いっぱいだし、スキンシップとか多いから積極的な人なんだって、短絡的に考えてた。

私がちょっとくらいいなくたって、こんなに悲しんでるなんて思いも、想像も、予想もつかなかった。


「ぼくのっ、こと、やになったの…っ?」


「い、嫌になんて、なってないよテヒョナ」


私は普通に、ドアに鍵を差し込もうと、鞄から鍵を取り出して鍵穴に近づけた。

その時、私がまだ差し込んでもいないのに、鍵が中から開いた。


あれっと思う間もなく、扉も開いて中から、真っ赤な目をしたテヒョンが現れた。


肩は震えていた。

きっと私の影が見えるまで、ずっと玄関で待っていたんだとわかった。

玄関先だって、この季節は外と変わらないくらい寒いのに、薄い下着のようなシャツ姿で、裸足で。

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ミョンファ(プロフ) - すんしむさん» コメントありがとうございます!続編も更新頑張ります^^ (2016年12月27日 23時) (レス) id: 587a0a36a9 (このIDを非表示/違反報告)
すんしむ - すごいおもしろいです! それでは、続編今から行ってまいります! (2016年12月27日 10時) (レス) id: c07ed66232 (このIDを非表示/違反報告)
ミョンファ(プロフ) - ふぅかさん» ありがとうございます!これからもはっちゃけて更新頑張ります! (2016年12月24日 0時) (レス) id: 587a0a36a9 (このIDを非表示/違反報告)
ふぅか(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!、この後の展開がとても楽しみです!頑張って下さーい! (2016年12月24日 0時) (レス) id: 2c1116535e (このIDを非表示/違反報告)
ミョンファ(プロフ) - はばななさん» ありがとうございます!ペットのほうも読んでくださったのですね、嬉しいです。小説大好きと言ってくれることが何より励みになって、もう感動してます…これからも頑張ります! (2016年12月12日 7時) (レス) id: af06c6e6f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミョンファ | 作成日時:2016年12月7日 17時

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