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「それで、どうなったんですか?」
「あ、あぁ、親父が帰ってきて、当然このエンジェルは何だってことになって。そこからたった数ヶ月で離婚の話が持ち上がった」
「えっ、そんな……それは、早急過ぎますよ」
「俺もそう言った。でも親父からしてみれば我慢の限界だったらしい。俺もニートだったし、説得力もない。でも親権のこととかあったから、とりあえず別居ってことになった。でも母さんは体調がすぐれなくて実家で療養することになった」
「ってことは、ユンギさんはお父さんと?それとも……」
「一人暮らししてる。親父が生活費はくれるし、兄さんも時々様子見に来る。でも親父は、エンジェルのローンは払わないって言ってる。でも母さんも職無しで払えないから、母さんの実家と交渉してるらしいけど、もう何ヶ月も争ってるから結局俺が払ってる」
「ユンギさん、大変だったんですね……」ウルウル
私の中の共感値が爆上げされてる。
ユンギさん、ただの塩じゃなくて、苦労したゆえの塩だったのか。
今まで誤解してて本当に申し訳ない気持ちになる。
カフェオレを口に含むのもどうしようもなく、可愛く見えてきた、重症。
「今日、カフェオレ払わせてしまってすみませんでした。私、次会った時、お金返しますので」
「やめろ、あれは俺の奢りだから」
「でも……」
「じゃあ払わねぇでいいから、バイト、続けろよ」
「あっ……」
ここで嫌だとは、言えないよね……やっぱり。
ユンギさんがやたらめったらに人を引き止める人とは思えない。
それが、ここで引き止められてるってことは、それなりにユンギさんが考えた結果なんだろうから。
私はもう働く理由なんてないけど、前よりはバイトが楽しくなるかもしれない。
「わかりました。でも、前よりはシフト減らすかもしれませんよ」
「いい、別に。続けんなら。というかお前」
「はい?」
「なんで辞めようと思ったんだよ」
「あぁ、それはですね……」
「お前のエンジェルが理由なのか?」
「んー、そうと言えばそうですけど、エンジェルも遺産の一部と言うか、」
「遺産?」
やべ、口が滑った。
「そ、そうです!遺産ですよ!レガシーレガシー!良い親戚がいて、エンジェルと生活費を工面してくれることになって!っはい」
「……ん、そうなのか」
悪用されると困るから、遺産の話は厳禁にしておかないと。
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ミョンファ(プロフ) - すんしむさん» コメントありがとうございます!続編も更新頑張ります^^ (2016年12月27日 23時) (レス) id: 587a0a36a9 (このIDを非表示/違反報告)
すんしむ - すごいおもしろいです! それでは、続編今から行ってまいります! (2016年12月27日 10時) (レス) id: c07ed66232 (このIDを非表示/違反報告)
ミョンファ(プロフ) - ふぅかさん» ありがとうございます!これからもはっちゃけて更新頑張ります! (2016年12月24日 0時) (レス) id: 587a0a36a9 (このIDを非表示/違反報告)
ふぅか(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!、この後の展開がとても楽しみです!頑張って下さーい! (2016年12月24日 0時) (レス) id: 2c1116535e (このIDを非表示/違反報告)
ミョンファ(プロフ) - はばななさん» ありがとうございます!ペットのほうも読んでくださったのですね、嬉しいです。小説大好きと言ってくれることが何より励みになって、もう感動してます…これからも頑張ります! (2016年12月12日 7時) (レス) id: af06c6e6f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミョンファ | 作成日時:2016年12月7日 17時