Princess 3

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「さむっ…。」




佐野くんのパーカーを持ちながらスタジオの外に立つ




どっかのタイミングで会えると思ってたのに、結局会えなくて。





直人くんが、待ってたら会えると思うっていうから待ってたけど








…もしかしてもう帰った？






「Aちゃん？」





声がして振り返ると、帽子をかぶって口元までマフラーを巻いた…





「剛典…くん？笑」





岩「あ、ごめん笑」






帽子を脱ぎながらそう言って、近くにきた







岩「ていうかどしたの？」






「あっそうだ、佐野くん、見なかった？」





岩「佐野って、玲於？…なんで？」






「これ。パーカー、返したくて」







持っていたパーカーを見せると、剛典くんの顔色が変わる









岩「…なんでAちゃんが？」






「さっき、返し忘れちゃって」






岩「そういうことじゃなくて、玲於と。…いつから？」






「い、いつからって別にそんなんじゃないよ。」







岩「…………」








グイッ




腕を引かれて、歩き出す








「ちょっと、剛典くん…痛いよ。どこ行くの？」








岩「…家まで、送る」









そこからはお互い無言で歩いた






いつもとは少し違う剛典くんに







なんだか少しだけ、ドキドキしていた






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