Princess 3

127透子side ページ31

.







田崎さんに誘われた温泉





本当は断ろうとしていたけど





…広臣もいるから、って。






そのまま流れに押されて、来てみたけど





女子同士でお風呂に入ったり




みんなで、飲んだり





そういうの、意外と楽しくって。






わたしあんまり友達いないから…、



ルイちゃんとか、Aさんとも、色々話せることが正直嬉しかった






.






6時にかけた目覚ましで、目が覚める




大きな音が鳴っているのにも関わらずルイちゃんは全く起きる気配はない






その隣を見るとAさんはいなかった





…どこに行ったんだろ？









軽く顔を洗って、ドアの外に出る




まだひとけのない廊下




窓の外は朝日が綺麗だった








少し進んで角を曲がると









透「…あ、」









目の前に見えたのは、ベンチに座る広臣とAさんの後ろ姿









広臣の肩に頭を乗せるAさんの顔は見えない





だけど、Aさんの方を見る広臣の横顔は








見たこともないような、…優しい顔で。







そんな姿を見ていると胸が苦しくて








こんなの見たく、ないのに。




足が動かずただ立ち尽くすしかなかった









そんな時、







「透子ちゃんっ」






後ろから聞こえた小さな声に振り返ると








透「た、田崎さ…っ！」






田「しーっ。…部屋、戻ろ？」








いつからいたのかわからない田崎さんに




腕を引かれて部屋まで戻った

128 透子side→←126

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す