Princess

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早く仕事が終わった日はいつも



ひとりで街に行って色んな店に服を見に行く






この時間が、好き







自分への刺激にもなるし、何より服が好きだから。






何軒か回って、ふらふら歩いてると



初めて見るお店






看板には"Destiny"と書かれていた




Destiny……運命、か。






なんとなく引き寄せられて、店に入る





店内は少し暗くて、落ち着いた雰囲気






中を歩いて、ひとつ気になった服に手をかけた時




触れた、手





「あ、すみません。」





「俺の方こそ、









…って、Aちゃん？」









「え、」







「…あっちゃったね、また。



しかも、こんな店で。笑」





Destiny(運命)と書かれた店で同じ服を手にかけたのは



今日もサングラスをした、登坂さんだった







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立ち話をしていると




登坂さんの、''飯、行かない？"の一言で



ご飯に行くことになって。







連れて来られたのは、おしゃれなフレンチのお店







…ではなく、少し古い焼き鳥屋さんだった






登坂さんが親そうに話すお店のおじさんは



笑顔が素敵なすごく、いい人で。









「あったかくて、素敵なお店ですね」







臣「本当？…女の子ってこういうのより、おしゃれなお店のが好きじゃん？」






「わたしはこういうお店、好きですよ」









臣「……やっぱり、」





「え？」






臣「Aちゃんは絶対そういってくれると思ってたから。



…連れてきて良かったよ。


ここ…俺の隠れ家だから。秘密ね？笑」






"なんちゃって"



そう笑いながら登坂さんはビールを飲んだ

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